新型コロナウイルスの影響で、キャンパスが閉鎖となる大学も増えてきていますね。私の周りでは、コロナウイルス対策のために皆それぞれが ’do my part’ すること、つまり「自分の立場でできることを果たすこと」が大切だという認識が広がっています。人と距離をとって過ごすことはもちろん、学生の立場から在宅ワークを推進したり、会議やイベントをオンライン化したり、病院へのPPEの寄付を呼びかけたりなど、様々な動きが誰からともなく進められています。
ケムステも、学術情報サイトとして、コロナウイルスに関する情報を紹介したり、ケムステSlackで「コロナ対応」をテーマにした情報交換を進めたりしています。今回の記事では、コロナウイルスに関連するケムステ記事をまとめてご紹介しようと思います。
新型コロナウイルスの化学への影響
新型コロナウイルスの影響は、化学分野にも及んでいます。本記事では、コロナウイルスの影響で中止になった学会や、ウイルス対策に関連する新しい科学技術についてまとめられています。特に、コロナウイルス検査のための新技術や期待される治療薬について、国内での取り組みが多数紹介されているので、化学研究のウイルス対策への貢献が気になる人はぜひ読んでみてください。
コロナウイルスCOVID-19による化学研究への影響を最小限にするために
新型コロナウイルスの影響で、海外では大学や研究所の閉鎖が相次いでいます。日本でも、今週から閉鎖となる大学が増えてきています。本記事では、そのような状況に際して私たちができること、やっておくべきことについて、個人レベル・研究室レベルで紹介しています。実際に、3月中旬に所属大学が閉鎖となったGakushiさんの経験談が書かれているので、とても参考になると思います。
山形大学の川上勝准教授およびスタジオミダスは、独自開発したシリコン3Dプリント法を用い、コロナウィルスにちなむタンパク質模型の販売を始めました(スタジオミダスストアをご覧下さい)。実費送料を除く売り上げは全て学術研究支援を目的に寄附するプランとのことで、是非いろんな方にご協力いただければと思います。
コロナウイルスが免疫システムから逃れる方法
前半では、コロナウイルスの構造や感染のメカニズムについて、分子生物学の観点から基礎知識を紹介しています。コロナウイルスって一体どんなもの?と気になる人はぜひ読んでみてください。
後半では、ロヨラ大学のBaker教授らが先月PNAS誌に発表した、コロナウイルスが免疫システムから逃れるための興味深い機構について紹介しています。論文では、コロナウイルスの持つRNA分解酵素EndoUが、宿主細胞の免疫システムに認識されないように、自分のRNAの端を切り取るという機構について示されています。
Zoomオンライン革命!
コロナウイルスの影響を受け、オンラインでミーティングをすることがかなり増えると思います。私の研究室でも、大学が閉鎖になる1週間前から研究室ミーティングやセミナーがオンラインに切り替えられました。オンラインミーティングを行うにあたって、特に話題になっているのが「Zoom」というWeb会議ツールです。本記事では、Zoomの基本や特長やについてまとめられています。
さらに、話題にのってケムステスタッフでもZoom懇親会をやってみました。以下の記事でその様子を紹介しています。
検査キットについて
日本はPCR検査数の少なさで世界を非難を浴びていますが、その状態を改善すべくPCR検査の前処理を少なくするキットが次々と発売を開始しています。
⽇本感染症学会がキットの性能評価を行ったことを報告しましたが、国立研究開発法人である日本医療研究開発機構(AMED)でも抗体検査キットの性能評価が実施され、その結果が先日公開されました。
感染を防ぐために
新型コロナウイルスをブロックする「N95マスクの95って一体何?」などN95マスクの秘密が一発で分かるムービーが登場
ここ一週間で新たに判明した感染者の数は増え、メディアは暑い夏にマスクを着けるか着けないかについて活発に取り上げられていますが、いまだに「不織布マスク=完全ではない、N95マスク=性能が高く予防に適している」というN95を日常的に装着することの非現実性をぼやかしたまま、高性能を強調している番組が見受けられます。一方ネット上では、科学的に正しくN95マスクの性能を解説している記事はたくさんあり、今回はその一つのYoutube動画を紹介します。
ワクチン
新型コロナウイルスに対するワクチンの需要もあり、広く実用化されるに至った。
新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) のワクチンの接種が始まり、ワクチン投与に関する噂やニュースが流れるようになりました。この記事では、非医療従事者でありながら、幸運にも Pfizer のワクチンを接種する機会を得た米国在住の大学院生がワクチンを受けた後の様子についてお話しします。
オンライン講義について
オンライン授業を受ける/するってどんな感じ? 【アメリカで Ph. D. を取る: コロナ対応の巻】
COVID-19 の影響で大学 (院) では授業のオンライン化が進んでいます。本記事では、日本よりも一足先にオンライン化に踏み切っていた海外大学院に通う大学院生が、学生の視点でオンライン授業の感想を共有します。くわえて、化学実験実習の TA の経験を踏まえて、オンライン授業のノウハウもできるかぎりお伝えします。
COVID-19状況下での化学教育について Journal of Chemical Education 特集号
ACSの化学教育ジャーナルJournal of Chemical Educationでは4月にCOVID-19状況下での化学教育に関する論文を募集しはじめ、 その特集号が今月発表されました。1000ページ以上に渡る特集号には31か国・米国38州の幅広い著者によって書かれた相当数の論文が掲載されており、さまざまな化学分野からの知見がまとめられています。
在宅勤務・研究は?
筆者も会社から在宅指示が出て、家で仕事をするようになりました。もちろん業務に関する仕事を続けることが在宅の大前提ですが、実験など在宅ではできない仕事がなくなり、時間には余裕ができた人もいるかもしれません。そんな時間に余裕がある今だからこそ、チャレンジすべきことをまとめてみました。
れまでにネットに出回っているプレゼン動画を集めてみました。疲れて仕事のやる気がなくなった時はこちらに挙げたような動画を見てみてください。英語のリスニングを鍛えたり、どのようにプレゼンしているのかを注意しながら見ればプレゼンの練習にもなります。今回の一件でこれからたくさんの講義動画や学会ポスター、学会の動画が出てくると思います。一部、今後のプレゼンの予定も載せておいたので見てみてください。
「いつもと違うこと」が起きると、その人の「いつもと違う部分」が見える。新型コロナウイルス感染症への対応が求められる中、その影響は人材採用の場も例外ではない。
ケムステSlack – 「コロナ対応」チャンネル
コロナウイルスの影響で外出が減ると、人から情報を得たり人と議論する機会も少なくなると思います。そこで役立つのがケムステSlackです。ケムステSlackには、現在1500人以上の参加者がおり、気になるニュースや論文、質問や雑談チャンネルなどで活発に情報交換がなされています。最近、「コロナ対応」というチャンネルも作られ、コロナウイルス関連の研究ニュースをまとめたり、在宅ワークのやり方について議論したりなど、化学コミュニティならではのコロナウイルスに関する情報共有ができる場所になっています。
こんなときこそ、化学分野の学生や研究者が力を合わせて危機に対応するのがとても大事だと思うので、コロナ対応で困っていること、おすすめの対応策、コロナウイルス関連の気になる研究など、ぜひいろいろ投稿してみてください。参加方法はこちらをご参照ください。