[スポンサーリンク]

危険物取扱者

危険物に関する法令:行政手続き、許可取り消し

[スポンサーリンク]

危険物行政は、国民の生命・安全に直接関係するため、法令上様々な手続きが定められており、その内容は次のとおりである。結構複雑なので間違えないように覚えること。

許可

いつ?
  • 危険物設備を設置する場合。
  • 製造所等の位置、構造または設備を変更するとき。
誰に?
  1. 消防本部及び消防署を設置している市町村の区域(移送取扱所除く) ⇒ その区域を管轄する市町村長
  2. 消防本部及び消防署を設置していない市町村の区域(移送取扱所除く) ⇒ その区域を管轄する都道府県知事
  3. 消防本部及び消防署を設置している市町村の区域のみに設置している移送取扱所⇒ その区域を統括する市町村長
  4. 消防本部及び消防署を設置していない市町村の区域又は2以上の市町村の区域に渡って設置される移送取扱所 ⇒ その区域を統括する都道府県知事
  5. 2以上の都道府県の区域に渡って設置される移送取扱所 ⇒ 自治大臣
条件等
  • 工事着手は、設置許可を受けたあとでないとできない
  • 製造所等を設置した場合、その開始は完成検査済証の交付をを受けた後。(仮使用は別)

承認

いつ?
  • 製造所等の仮使用(構造又は設備を変更する場合、工事に関わる部分以外を使用すること)をするとき
  • 危険物を仮貯蔵、仮取扱いするとき。
誰に?
  • 消防長(消防本部未設置の市町村においては市町村長)または消防署長
条件等
  • 指定数量以下であること。
  • 10日以内であること。

届出

いつ?
  • 危険物の譲渡または受け渡しのとき
  • 危険物の品名、数量又は指定数量の変更のとき
  • 危険物施設の廃止のとき
  • 危険物保安統括管理者の選任・解任のとき
  • 危険物保安監督者の選任・解任のとき
誰に?
  • 市町村等
条件等
  • 危険物の品名、数量又は指定数量の変更のときは変更する日の10日前までに届け出る。

検査

完成検査前検査
  • 液体危険物タンクについての水圧、水張検査を受けようとする場合。
  • 1000kL以上の特定屋外タンク貯蔵所において基礎・地盤検査、溶接部の検査を受けようとする場合。
保安検査
  • 1000kL以上の屋外タンク貯蔵所、特定移送取扱所にあって保安検査を受けようとする場合
完成検査
  • 設置の許可を受けた危険物施設が完成した場合

更を受けた危険物施設が完成した場合

設置許可取り消し

製造所等の所有者、管理者又は占有者は、下記に該当する場合は、市町村長等から設置許可の取り消し、又は期間を定めての使用禁止命令を受ける。ただし、許可を取り消そうとするときは、その製造所等の所有者等にその理由を通知し、弁明及び有利な証拠の提出の機会を与えねばならない。(法第12条の2第一項、第三項)

該当事項
  • 位置、構造又は設備を無許可で変更したとき
  • 完成検査賞の交付前に使用したとき
  • 位置。構造、設備に係わる措置命令に違反したとき
  • 政令で定める屋外タンク貯蔵所又は移送取扱所の保安の検査を受けないとき
  • 定期点検の実施、記録の作成、保存がなされていないとき

使用禁止命令

製造所等の所有者、管理者又は占有者は、下記に該当する場合は、市町村長等から期間を定めての使用禁止命令を受ける。(法第12条の2第二項)

該当事項
  • 危険物の貯蔵、取扱基準の遵守命令に違反したとき。ただし、移動タンク貯蔵所については、市町村長の管轄区域において、その命令に違反したとき。
  • 危険物保安統括管理者を定めないとき
  • 危険物保安監督者を定めないとき
  • 危険物保安統括管理者又は危険物保安監督者の解任命令に違反したとき
Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. 危険物データベース:危険物に関する基礎知識
  2. 危険物データベース:第2類(可燃性固体)
  3. 危険物に関する法令:危険物の標識・掲示板
  4. 危険物に関する法令:点検・設備・保安距離
  5. 危険物に関する法令:指定数量の覚え方
  6. 試験概要:甲種危険物取扱者
  7. 危険物データベース:第6類(酸化性液体)
  8. 危険物データベース:第1類(酸化性固体)

注目情報

ピックアップ記事

  1. 実験ノートを復刻し公開へ 高峰譲吉らのアドレナリン
  2. 有機合成研究者必携! 有機合成用反応剤プロトコル集
  3. C–NおよびC–O求電子剤間の還元的クロスカップリング
  4. 生体分子と疾患のビッグデータから治療標的分子を高精度で予測するAIを開発
  5. エドマン分解 Edman Degradation
  6. 新たな青色発光素子 京大化学研教授ら発見
  7. 三菱商事ナノテク子会社と阪大院、水に濡れるフラーレンを共同開発
  8. 軸不斉のRとS
  9. ポリアクリル酸ナトリウム Sodium polyacrylate
  10. 化学研究ライフハック: Evernoteで論文PDFを一元管理!

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2005年6月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930  

注目情報

最新記事

四置換アルケンのエナンチオ選択的ヒドロホウ素化反応

四置換アルケンの位置選択的かつ立体選択的な触媒的ヒドロホウ素化が報告された。電子豊富なロジウム錯体と…

【12月開催】 【第二期 マツモトファインケミカル技術セミナー開催】 題目:有機金属化合物 オルガチックスのエステル化、エステル交換触媒としての利用

■セミナー概要当社ではチタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素等の有機金属化合物を“オルガチッ…

河村奈緒子 Naoko Komura

河村 奈緒子(こうむら なおこ, 19xx年xx月xx日-)は、日本の有機化学者である。専門は糖鎖合…

分極したBe–Be結合で広がるベリリウムの化学

Be–Be結合をもつ安定な錯体であるジベリロセンの配位子交換により、分極したBe–Be結合形成を初め…

小松 徹 Tohru Komatsu

小松 徹(こまつ とおる、19xx年xx月xx日-)は、日本の化学者である。東京大学大学院薬学系研究…

化学CMアップデート

いろいろ忙しくてケムステからほぼ一年離れておりましたが、少しだけ復活しました。その復活第一弾は化学企…

固有のキラリティーを生むカリックス[4]アレーン合成法の開発

不斉有機触媒を利用した分子間反応により、カリックスアレーンを構築することが可能である。固有キラリ…

服部 倫弘 Tomohiro Hattori

服部 倫弘 (Tomohiro Hattori) は、日本の有機化学者。中部大学…

ぱたぱた組み替わるブルバレン誘導体を高度に置換する

容易に合成可能なビシクロノナン骨格を利用した、簡潔でエナンチオ選択的に多様な官能基をもつバルバラロン…

今年は Carl Bosch 生誕 150周年です

Tshozoです。タイトルの件、本国で特に大きなイベントはないようなのですが、筆者が書かずに誰が…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP