危険物に関する知識を簡単にをまとめてみました。
危険物に関する基礎知識
危険物とは?
発火性または引火性の性質を持つもの、もしくは発火または引火を促進する性質を持つものがあり、燃焼するとその燃焼速度が速く、しかも火災が拡大しやすいので消火が困難であるもの。
危険物であるかの判断
- その物品が消防法別表に掲げられている品名に該当するか否か。
- 該当する場合は、その物品が法別表に掲げられている性状を有するか否か。
- 性状がわからない場合には、その物品が性状を有するか否かの確認をするための試験を行った結果、その物品が所定の性状をを示したか否か。
したがって、単に消防法別表に掲げられている品名に該当するということだけでは、危険物と断定できない。
指定数量
物品を確認する試験を行った結果、示された性状に応じて危険性にランク付けをして、そのランクごとに、それぞれ物品の指定数量が定められている。
第1類(酸化性固体)
主な品名
比重1より大の粉末状のものを含む固体。
塩素酸カリウム、塩素酸ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化ナトリウムなど。
危険性
加熱や有機物と反応して分解し酸素の供給源となる。
不燃性だが激しい燃焼を起こさせる。
加熱、摩擦、衝撃によって爆発する危険性あり。
貯蔵方法
分解しないよう加熱、衝撃、摩擦を避け、換気制のよい冷所に保存。
分解を促す薬品類や可燃性の物質と接触させない。
容器に保存しているものは陽気の破損を防ぎ、危険物がもれないようにする。
消火方法
アルカリ金属の過酸化物の消火には、ABC粉末以外の粉末消火剤、乾燥砂、膨張ひる石または膨張真珠岩を用いた窒息消火。
その他のものは、大量の水による冷却消火。
第2類(可燃性固体)
主な品名
比重1より大の固体。
硫化りん、赤りん、硫黄、鉄粉、アルミニウム粉、固形アルコールなど。
危険性
燃えやすい性質を持った常温で固体の物質。
燃焼の際、有毒なガスを出す場合あり。
低温で引火しやすい(粉末状のものは爆発する可能性あり)。
貯蔵方法
炎、火花、高温体との接触、酸化剤との接触を避け、加熱をしない。
金属粉は水または酸と接触すると、発熱するためこれを避ける。
消火方法
硫化りん、赤りん、硫黄等は、水、泡などの水系の消火剤による冷却消火。
鉄粉、金属粉、マグネシウム等はABC粉末以外の粉末消火剤、乾燥砂、膨張ひる石または膨張真珠岩を用いた窒息消火。
固形アルコール等の引火性固体にはすべての消火剤。
第3類(自然発火性物質及び禁水性物質)
主な品名
比重1より大の固体または液体。
カリウム、ナトリウム、アルキルアルミニウム、黄りん、炭化カルシウムなど。
危険性
自然発火性物質:空気中にさらされると酸素と反応して自然発火
禁水性物質:水との接触により直ちに発火、もしくは可燃性ガスを発生。
貯蔵方法
水との接触を避ける。
小分けして保存するのが安全。
保護液中に保存する場合は保護液から露出しないように注意。
消火方法
ABC粉末以外の粉末消火剤、乾燥砂、膨張ひる石または膨張真珠岩を用いた窒息消火。
第4類(引火性液体)
主な品名
比重1より小の液体(二硫化炭素、クロロベンゼンなどは除く)。
特殊引火物、アルコール類、石油類、動植物油類に分けられる。
危険性
引火する危険性が大きい可燃性液体。
水溶性と非水溶性のもの有り。
一般に水より軽い。
一般に蒸発する蒸気は空気より重い。
貯蔵方法
蒸気の発生を防ぐため換気をする必要が有る。
流動により静電気が発生しやすいため、アースする。
消火方法
油火災用の各種消火剤が使用可能。
大規模火災については泡消火剤を使用(アルコール類など水溶性のものは耐アルコール用の泡を使用)。
第5類(自己反応性物質)
主な品名
比重1より大の固体または液体。
硝化綿、硝酸エチル、ニトログリセリン、セルロイド、ピクリン酸など。
危険性
燃焼に必要な酸素を含んでいるので自己燃焼性有り。
加熱、摩擦、衝撃等で爆発する可能性有り。
点火源を与えてはいけない。
長年月で酸化反応し、発火する可能性有り。
貯蔵方法
室温、通風に気をつける。
炎、火花、高温体との接触、加熱、衝撃、摩擦を避ける。
消火方法
爆発的で燃焼速度が速いため、消火しにくい。
大量の水で冷却消火(窒息消火は無意味)。
第6類(酸化性液体)
主な品名
比重1より大の液体。
過酸化水素、発煙硝酸、濃硝酸など。
危険性
不燃性だが酸化力大なため、他の可燃性有機物等の燃焼を促進。
水溶性が有り、溶解熱で発熱。
可燃物や有機物に接触させると、発火させ、有毒なガスを発生する可能性有り。
貯蔵方法
可燃物及び分解を促す薬品類との接触を避ける。
容器に保存する時は密閉する。
消火方法
水の使用はよくない(状況によっては大量の水(霧状がよい)で希釈)。