[スポンサーリンク]

危険物取扱者

危険物データベース:第1類(酸化性固体)

[スポンサーリンク]

【目次】

  • 共通する特徴
  • 物質別:塩素酸塩類
  • 物質別:過マンガン酸塩類
  • 物質別:硝酸塩類
  • 物質別:過酸化塩類
  • 物質別:重クロム酸塩類

共通する特徴

■特性
○無機酸化物
  • 比重は1より大きく水に溶けない
  • それ自身は不燃性物質で、無機化合物
  • 水と作用すると発熱
  • 強酸剤で反応性に富む。つまり、加熱、衝撃、摩擦によって容易に分解して酸素を放出し、可燃物の燃焼を促進する。有機物、還元性物質と混合したものは、摩擦により発火、爆発の危険性がある。
  • 強酸性に触れると分解して酸素を放出する。
  • 各種塩類のナトリウム塩は潮解性が強い。
○有機過酸化物
  • 可燃性物質や点火源があれば発火、爆発の危険性がある。
  • 単独でも、加熱、衝撃、摩擦により発火、爆発の危険性がある
  • 反応性に富み、還元性物質、強酸性に触れると発火、爆発の危険性がある。
■貯蔵・取扱の注意
  • 日光の直射を避け、換気の良い冷暗所に貯蔵する。
  • 加熱、衝撃、摩擦を避ける。
  • 容器の破損、危険物の漏出を避け、容器を密閉する
  • 可燃性、還元性物質、強酸類と触れないようにする。
  • 潮解性物質や水と作用して発熱する物質は防湿に注意する
■消火方法
  • 第一類の火災は危険物そのものの火災ではなく、他の危険物が燃えるので、主として水、泡による冷却消火が適当。
  • アルカリ金属の過酸化物は禁水性物質なので、窒息消火(乾燥砂等)を行う

塩素酸塩類

第一種酸化性固体
指定数量:50kg

塩素酸カリウム KClO3
  • 単独では安定。
  • 加熱すると約400℃で分解を始め、酸素を発生する。
  • 少量の強酸の添加によって、発火爆発の危険を生ずる。
  • アンモニア、炭酸アンモニア等と反応して不安定な塩素酸塩類を精製し、自然爆発の危険を生ずる。
  • 赤りん、硫黄等の混合はわずかの刺激で爆発の危険を生ずる。
  • 加熱するとき、硝酸銀、アルミニウム塩、酸化鉛等と混合している場合は、急熱又は衝撃により爆発する。

過塩素酸塩類

第一種酸化性固体
指定数量:50kg

過塩素酸カリウム KClO4
  • 加熱すると約400℃で分解を始め、酸素を発生する。
  • 水に溶けにくいが温湯には溶ける。
  • 強い酸化剤
過塩素酸ナトリウム NaClO4
  • 加熱すると約200℃で分解を始め、酸素を発生する
  • 水によく溶ける
過塩素酸アンモニウム NH4ClO4
  • 強い衝撃又は分解温度以上の急激な加熱を受けると爆発する。
  • 水に溶けるが潮解性はない
  • 約130℃で分解を始めて酸素を放出し300℃で急激に分解を始める

過マンガン酸塩類

第二種酸化性固体
指定数量:300kg

過マンガン酸カリウム KMnO4
  • 水に良く溶け、濃紫色を呈する。
  • 赤紫色柱状結晶
過マンガン酸銀 AgMnO4
  • 日光により分解する不安定な物質。
  • 過マンガン酸カリウム水溶液に硝酸銀溶液を加えると生ずる結晶体

過酸化塩類

第一種酸化性固体
指定数量:50kg

過酸化ナトリウム Na2O2
  • 加熱すると約657℃で分解を始め、酸素を発生する。
  • 水と作用して熱と酸素を発生する。
  • 吸湿性が強い
  • 純粋なものは白色であるが、普通は淡黄色の粉末
  • 注水はさける
過酸化カリウム K2O2
  • 加熱すると約275℃で分解を始め、酸素を発生する。
  • 注水はさける

重クロム酸塩類

第二種酸化性固体
指定数量:300kg

重クロム酸カリウム K2Cr2O7
  • 水にわずかに溶ける。
  • 加熱すると約500℃で分解して酸素を発生する。
Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. 危険物データベース:第4類(引火性液体)
  2. 甲種危険物取扱者・合格体験記~cosine編
  3. 危険物データベース:第6類(酸化性液体)
  4. 試験概要:甲種危険物取扱者
  5. 危険物に関する法令:点検・設備・保安距離
  6. 試験概要:知的財産管理技能検定
  7. 危険物データベース:危険物に関する基礎知識
  8. 危険物に関する法令:危険物の標識・掲示板

注目情報

ピックアップ記事

  1. キレーション療法ってなに?
  2. 三角形ラジカルを使って発光性2次元ハニカムスピン格子構造を組み立てる!
  3. 治療応用を目指した生体適合型金属触媒:② 細胞外基質・金属錯体を標的とする戦略
  4. リチウムイオン電池 電解液の開発動向と高機能化
  5. 化学者のためのエレクトロニクス講座~代表的な半導体素子編
  6. 科学とは「世界中で共有できるワクワクの源」! 2018年度ロレアル-ユネスコ女性科学者 日本奨励賞
  7. 3つのラジカルを自由自在!アルケンのアリール–アルキル化反応
  8. 豊丘出身、元島さんCMC開発
  9. 第32回 液晶材料の新たな側面を開拓する― Duncan Bruce教授
  10. 君はホンモノの潤滑油を知っているか?:自己PRで潤滑油であることをアピールする前に中身や仕組みを知っておこう

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2005年6月
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930  

注目情報

最新記事

有機合成化学協会誌2024年12月号:パラジウム-ヒドロキシ基含有ホスフィン触媒・元素多様化・縮環型天然物・求電子的シアノ化・オリゴペプチド合成

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2024年12月号がオンライン公開されています。…

「MI×データ科学」コース ~データ科学・AI・量子技術を利用した材料研究の新潮流~

 開講期間 2025年1月8日(水)、9日(木)、15日(水)、16日(木) 計4日間申込みはこ…

余裕でドラフトに収まるビュッヒ史上最小 ロータリーエバポレーターR-80シリーズ

高性能のロータリーエバポレーターで、効率良く研究を進めたい。けれど設置スペースに限りがあり購入を諦め…

有機ホウ素化合物の「安定性」と「反応性」を両立した新しい鈴木–宮浦クロスカップリング反応の開発

第 635 回のスポットライトリサーチは、広島大学大学院・先進理工系科学研究科 博士…

植物繊維を叩いてアンモニアをつくろう ~メカノケミカル窒素固定新合成法~

Tshozoです。今回また興味深い、農業や資源問題の解決の突破口になり得る窒素固定方法がNatu…

自己実現を模索した50代のキャリア選択。「やりたいこと」が年収を上回った瞬間

50歳前後は、会社員にとってキャリアの大きな節目となります。定年までの道筋を見据えて、現職に留まるべ…

イグノーベル賞2024振り返り

ノーベル賞も発表されており、イグノーベル賞の紹介は今更かもしれませんが紹介記事を作成しました。 …

亜鉛–ヒドリド種を持つ金属–有機構造体による高温での二酸化炭素回収

亜鉛–ヒドリド部位を持つ金属–有機構造体 (metal–organic frameworks; MO…

求人は増えているのになぜ?「転職先が決まらない人」に共通する行動パターンとは?

転職市場が活発に動いている中でも、なかなか転職先が決まらない人がいるのはなぜでしょう…

三脚型トリプチセン超分子足場を用いて一重項分裂を促進する配置へとペンタセンクロモフォアを集合化させることに成功

第634回のスポットライトリサーチは、 東京科学大学 物質理工学院(福島研究室)博士課程後期3年の福…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP