概要
ビナミジニウム塩(Vinamidinium Salt)は、カルボン酸をヴィルスマイヤー・ハック反応条件に附すことで得られる3炭素ユニットである。ビニロガスアミジニウム(vinylogous amidinium)を略してこう呼ばれる。
様々な複素環化合物を合成するための有用中間体として活用される。
基本文献
<review>
- Lloyd, D.; McNab, H. Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1976, 15, 459. doi:10.1002/anie.197604591
- Reichardt, C. J. Prakt. Chem. 1999, 341, 609. [abstract]
- Yu, M.; Shaixiao, T.; Wei, Z.; Guangyu, X. Chin. J. Org. Chem. 2016, 36, 700. DOI: 10.6023/cjoc201511008
反応機構
ケテンとDMFが[2+2]環化を起こし、CO2を放出する機構が提唱されている(Org. Lett. 2002, 4, 2969)。
反応例
求電子剤との反応
β炭素は求核能を持つため、求電子剤と反応する。
求核剤との反応
α,γ炭素は求電子能を持つため、アミンひゃエノラートなどの求核剤と反応する。この特性はさまざまな複素環合成に活用可能である。
化合物合成への応用
アザマクロ環の合成[1]
(+)-リアノジンの全合成[2]
参考文献
- Mehranpour, A. M.; Hashemnia, S.; Bashiri, E. Synth. Commun. 2013, 43, 1931. doi:10.1080/00397911.2012.681826
- Masuda, K.; Koshimizu, M.; Nagatomo, M.; Inoue, M. Chem. Eur. J. 2016, 23, 230. DOI: 10.1002/chem.201503641
Synthesis Using Vilsmeier Reagents (English Edition)