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奈良坂・プラサード還元 Narasaka-Prasad Reduction

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概要

βヒドロキシケトンを立体選択的に還元し、syn-1,3-ジオールを与える方法。anti-1,3-diolを与えるMe4N[HB(OAc)3](Evans-Saksena還元)とは相補的な位置づけにある。

基本文献

 <review>

反応機構

ホウ素添加物がヒドロキシル基を介して6員環キレート構造を形成し、還元剤である水素化ホウ素ナトリウムがいす型生成物を与えるように還元する。

反応例

カテコールボランを用いることで少成分で同様の還元が行える[1]

HMG還元酵素阻害剤の合成[2]

Amphidinol 3 C1-C52フラグメントの合成[3]

参考文献

  1. Evans, D. A.; Hoveyda, A. H. J. Org. Chem. 1990, 55, 5190. doi:10.1021/jo00305a005
  2. Sletzinger, M.; Verhoeven, T. R.; Volante, R. P.; McNamara, J. M.; Corley, E. G.; Liu, T. M. H.  Tetrahedron Lett. 1985, 26, 2951. doi:10.1016/S0040-4039(00)98589-7
  3. Huckins, J. R.;  de Vicente, J.; Rychnovsky, S. D. Org. Lett. 2007, 9, 4757.doi: 10.1021/ol7020934.

関連反応

  • エヴァンス・サクセナ還元 Evans-Saksena Reduction

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博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

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