概要
2-(トリメチルシリル)エトキシカルボニル(2-(trimethylsilyl)ethoxycarbonyl, Teoc)基は、カルバメート形成によってアミンの保護目的に多用される。
強塩基によるエステル加水分解条件・求核条件・弱めのヒドリド還元条件、強酸性条件、接触還元に耐える。脱保護はフッ化物イオンを作用させる脱シリル化条件で行なう。
基本文献
- Teoc-OSu: Shute, R. E.; Rich, D. H. Synthesis 1987, 346. DOI: 10.1055/s-1987-27939
- Teoc-NTShimizu, M.; Sodeoka, M. Org. Lett. 2007, 9, 5231. DOI: 10.1021/ol7024108
反応機構
保護
N-[2-(Trimethylsilyl)ethoxycarbonyloxy]succinimide(Teoc-OSu)が汎用。ピリジンやトリエチルアミンを塩基として添加し、アミンと反応させる。アミノ酸などに対しては、無機塩基をもちいるショッテン・バウマン条件なども簡便である。
脱保護
フッ化物イオンによる脱シリル型β脱離→脱炭酸を経て脱保護が可能。
反応例
袖岡試薬(Teoc-NT)は、副生成物であるニトロトリアゾールが溶媒に不溶なので、ろ過のみで除去できる[1]。
参考文献
- Shimizu, M.; Sodeoka, M. Org. Lett. 2007, 9, 5231. DOI: 10.1021/ol7024108
関連反応
- カルバメート保護基
- メリフィールド ペプチド固相合成法
- アリルオキシカルボニル保護基(Alloc)
- 2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル保護基(Troc)
- ベンジルオキシカルボニル保護基(Cbz)
- 9-フルオレニルメチルオキシカルボニル保護基(Fmoc)
- tert-ブトキシカルボニル保護基(Boc)
- シリル系保護基
- スルホニル保護基
関連書籍
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- Protecting Group (PG) (PDF)