[スポンサーリンク]

H

ハンチュ エステルを用いる水素移動還元 Transfer Hydrogenation with Hantzsch Ester

[スポンサーリンク]

概要

ホルムアルデヒドとアセト酢酸エチルを用いて合成されるジヒドロピリジン(Diethyl 1,4-dihydro-2,6-dimethyl-3,5-pyridinedicarboxylate)は、俗にHantzsch Esterと呼称される。

有機触媒・光レドックス触媒などを用いる還元反応に適した水素移動源として用いることができる。生体内還元剤であるNADHの活性構造を有するため、そのモデル化合物としても捉えられている。

hantzsch_ester_red_1

基本文献

  • Norcross, B. E., Klinedinst, Jr., P. E., Westheimer, F. H. J. Am. Chem. Soc. 1962, 84, 797. DOI: 10.1021/ja00864a024
  • Singh, S.; Sharma, V. K.; Gill, S.; Sahota, R. I. K. J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1. 1985, 437. DOI: 10.1039/P19850000437
<review>

反応例

MacMillanイミニウム有機触媒によるα,β不飽和アルデヒドの不斉共役還元[1]

hantzsch_ester_red_2

アミドのメタルフリー選択的還元[2]

hantzsch_ester_red_4

寺田-秋山リン酸触媒によるキノリン不斉還元[3]

hantzsch_ester_red_6

参考文献

  1. Ouellet, S. G.; Tuttle, J. B.; MacMillan, D. W. C. J. Am. Chem. Soc. 2005, 128, 32. DOI: 10.1021/ja043834g
  2. (a) Barbe, G.; Charette, A. B. J. Am. Chem. Soc. 2008, 130, 18. DOI: 10.1021/ja077463q (b) Improvement with Et3SiH: Pelletier, G.; Bechara, W. S.; Charette, A. B. J. Am. Chem. Soc. 2010, 132, 12817. DOI: 10.1021/ja105194s
  3. Rueping, M.; Theissmann, T. Chem. Sci. 2010, 1, 473. DOI: 10.1039/C0SC00206B

関連書籍

[amazonjs asin=”4807908790″ locale=”JP” title=”ヘテロ環の化学: 基礎と応用”]

関連リンク

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. アザ-ウィティッヒ反応 Aza-Wittig Reaction
  2. ガッターマン アルデヒド合成 Gattermann Aldehy…
  3. モヴァッサージ脱酸素化 Movassaghi Deoxigena…
  4. エッシェンモーザーメチレン化 Eschenmoser Methy…
  5. エッシェンモーザーカップリング Eschenmoser Coup…
  6. 向山・鈴木グリコシル化反応 Mukaiyama-Suzuki G…
  7. 環化異性化反応 Cycloisomerization
  8. アルキンの環化三量化反応 Cyclotrimerization …

注目情報

ピックアップ記事

  1. ドーパミンで音楽にシビれる
  2. MOF 結晶表面の敏感な応答をリアルタイム観察
  3. 第38 回化学反応討論会でケムステをみたキャンペーン
  4. 第4回CSJ化学フェスタに参加してきました!
  5. ホウ素の力で空気が酸化に参加!?
  6. パーキン反応 Perkin Reaction
  7. 不斉カルボニル触媒で酵素模倣型不斉マンニッヒ反応
  8. ブラン環化 Blanc Cyclization
  9. 水素ガス/酸素ガスで光特性を繰り返し変化させる分子
  10. ブーボー/ボドロー・チチバビン アルデヒド合成 Bouveault/Bodroux-Chichibabin Aldehyde Synthesis

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2016年11月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

注目情報

最新記事

植物由来アルカロイドライブラリーから新たな不斉有機触媒の発見

第632回のスポットライトリサーチは、千葉大学大学院医学薬学府(中分子化学研究室)博士課程後期3年の…

MEDCHEM NEWS 33-4 号「創薬人育成事業の活動報告」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

第49回ケムステVシンポ「触媒との掛け算で拡張・多様化する化学」を開催します!

第49回ケムステVシンポの会告を致します。2年前(32回)・昨年(41回)に引き続き、今年も…

【日産化学】新卒採用情報(2026卒)

―研究で未来を創る。こんな世界にしたいと理想の姿を描き、実現のために必要なものをうみだす。…

硫黄と別れてもリンカーが束縛する!曲がったπ共役分子の構築

紫外光による脱硫反応を利用することで、本来は平面であるはずのペリレンビスイミド骨格を歪ませることに成…

有機合成化学協会誌2024年11月号:英文特集号

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2024年11月号がオンライン公開されています。…

小型でも妥協なし!幅広い化合物をサチレーションフリーのELSDで検出

UV吸収のない化合物を精製する際、一定量でフラクションをすべて収集し、TLCで呈色試…

第48回ケムステVシンポ「ペプチド創薬のフロントランナーズ」を開催します!

いよいよ本年もあと僅かとなって参りましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。冬…

3つのラジカルを自由自在!アルケンのアリール–アルキル化反応

アルケンの位置選択的なアリール–アルキル化反応が報告された。ラジカルソーティングを用いた三種類のラジ…

【日産化学 26卒/Zoomウェビナー配信!】START your ChemiSTORY あなたの化学をさがす 研究職限定 キャリアマッチングLIVE

3日間で10領域の研究職社員がプレゼンテーション!日産化学の全研究領域を公開する、研…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP