概要
水素化ホウ素亜鉛Zn(BH4)2はZnCl2とNaBH4から調製される還元剤である。この形状にすることによって1,2-還元を優先的に起こすことが可能になる。加えて、ケトン存在下にアルデヒドを、共役ケトンよりも非共役ケトンを優先的に還元できるようになる。
また、配位性官能基を介したキレート遷移状態を経由することで、ジアステレオ選択的な還元を起こすことも可能。
基本文献
- Kotsuki, H.; Yoshimura, N.; Ushio, Y.; Ohtsuka, T.; Ochi, M. Chem. Lett. 1986, 1003. doi:10.1246/cl.1986.1003
- Oishi, T.; Nakata, T. Acc. Chem. Res. 1984, 17, 338. DOI: 10.1021/ar00105a007
- Ranu, B. C. Synlett 1993, 885. DOI: 10.1055/s-1993-22640
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- Gama, I. L. Synlett 2012, 23, 642. DOI: 10.1055/s-0031-1290334
反応機構
ジアステレオ選択的還元過程の立体発現は亜鉛のキレーションモデルによって説明が可能。