概要
1,2-ジオールをスズアセタールで保護すると、一方のアルコールだけに反応を生じさせることができる。よく応用される変換はBnBrやTsClを用いる位置選択的保護、もしくはBr2を用いる選択的酸化反応などである。
条件によってはスズを触媒量に減ずることも可能。
基本文献
- Saigo, K.; Morikawa, A.; Mukaiyama, T. Chem. Lett. 1975, 145. doi:10.1246/cl.1975.145
- Saigo, K.; Morikawa, A.; Mukaiyama, T. Bull Chem. Soc. Jpn. 1976, 49, 1658. doi:10.1246/bcsj.49.1656
- Ueno, Y.; Okawara, M. Tetrahedron Lett. 1976, 17, 4597. doi:10.1016/S0040-4039(00)93941-8
- David, S.; Hanessian, S. Tetrahedron 1985, 41, 643. doi:10.1016/S0040-4020(01)96443-9
- Grindley, T. B.; Thangarasa, R. Can. J . Chem. 1990, 68, 1007. doi:10.1139/v90-158
- Martinelli, M. J. et al. Org. Lett. 1999, 1, 447. DOI: 10.1021/ol990658l
- Martinelli, M. J. et al. J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 3578. DOI: 10.1021/ja016031r
反応機構
スズアセタールはダイマーをはじめとするオリゴマー構造をとっている。立体的に小さいほうがアピカル位に優先的に位置し、そこから反応が起こる。(参考:J. Org. Chem. 1996, 61, 5257.)
反応例
臭素を用いる位置選択的酸化反応の例
Vinblastin合成における1級アルコールのモノトシル化[1]
実験手順
実験のコツ・テクニック
参考文献
[1] Yokoshima, S.; Ueda, S.; Kobayashi, S.; Sato, T.; Kuboyama, T.; Tokuyama, H.; Fukuyama, T. J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 2137. DOI: 10.1021/ja0177049
関連反応
関連書籍
外部リンク
- スズアセタールを使った1,2-diolの選択的修飾 (たゆたえども沈まず)
- スズアセタールが要らない1,2-diolの選択的アシル化 (たゆたえども沈まず)