二重結合をもつ炭化水素に対し求電子的付加反応をおこなう際、結合する水素原子数の多い方の炭素のほうに、電気的に陽性な原子団が結合する。この経験則をマルコフニコフ則(Markovnikov’s rule)と呼ぶ。
水素原子or置換数を指して“富めるものはますます富める(the rich get richer)”とすれば覚えやすい。
基本文献
- Markovnikov, W. Ann. Pharm. 1870, 153, 228. DOI:10.1002/jlac.18701530204
- Peter, H. J. Chem. Edu. 2006, 83, 1152. DOI:10.1021/ed083p1152
反応機構
マルコフニコフ則は中間体として生成するカルボカチオンの安定性の差によって合理的説明がなされる。すなわち、水素置換数の少ない(級数の大きい)炭素原子では、超共役効果によってカルボカチオンが安定化されるため、より電気的に陰性な原子団が結合しやすくなる。
反応例
実験手順
実験のコツ・テクニック
参考文献
関連反応
関連書籍
外部リンク
- マルコフニコフ則 – Wikipedia
- Markovnikov’s Rule – Wikipedia
- Markovnikov’s rule (organic-chemisry.org)
- Addition to Alkene: regiochemistry