[スポンサーリンク]

odos 有機反応データベース

菅沢反応 Sugasawa Reaction

[スポンサーリンク]

概要

ニトリルを用いるアニリン誘導体のo-アシル化反応。アニリンを保護することなく行うことができる。

アニリンのFriedel-Craftsアシル化は、窒素原子がルイス酸に配位することで芳香環の電子密度が下がり進行しないことが知られている。本反応はルイス酸を二種類用いることでこの問題を解決している。

通常はBCl3-AlCl3の組み合わせが用いられるが、AlCl3の代わりに塩素原子に対してより親和性の高いGaCl3を使うことで、より温和に反応を進行させられる。

基本文献

・Sugasawa, T.; Toyoda, T.; Adachi, M.; Sasakura, K. J. Am. Chem. Soc. 1978, 100, 4842. DOI: 10.1021/ja00483a034
・Douglas, A. W.; Abramson, N. L.; Houpis, I. N.; Karady, S.; Molina, A.; Xavier, L. C.; Yasuda, N. Tetrahedron Lett. 1994, 35, 6807. doi:10.1016/0040-4039(94)85010-0
・Prasad, K.; Lee, G. T.; Chaudhary, A.; Girgis, M. J.; Streemke, J. W.; Repic, O. Org. Proc. Res. Dev. 2003, 7, 723. DOI: 10.1021/op0340659

 

反応機構

参考:Tetrahedron Lett.1994, 35, 6807.

sugasawa_2.gif

反応例

菅沢反応を活用したインドール合成[1]

sugasawa_3.gif

実験手順

 

実験のコツ・テクニック

 

参考文献

[1] Pei, T.; Tellers, D. M.; Streckfuss, E. C.; Chen, C.-y.; Davies, I. W. Tetrahedron 2009, 65, 3285. doi:10.1016/j.tet.2008.11.026

 

関連書籍

[amazonjs asin=”4759814922″ locale=”JP” title=”アート オブ プロセスケミストリー: メルク社プロセス研究所での実例”]

 

外部リンク

Lewis Acid Catlaysis – Wikipedia

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. ヨウ化サマリウム(II) Samarium(II) Iodide…
  2. アルブライト・ゴールドマン酸化 Albright-Goldman…
  3. コニア エン反応 Conia–Ene Reaction
  4. フォルハルト・エルドマン環化 Volhard-Erdmann C…
  5. アーント・アイシュタート合成 Arndt-Eistert Syn…
  6. TEMPO酸化 TEMPO Oxidation
  7. ポメランツ・フリッチュ イソキノリン合成 Pomeranz-Fr…
  8. コンラッド・リンパック キノリン合成 Conrad-Limpac…

注目情報

ピックアップ記事

  1. ゲノムDNA中の各種修飾塩基を測定する発光タンパク質構築法を開発
  2. ピーター・シュルツ Peter G. Schultz
  3. 第7回日本化学会東海支部若手研究者フォーラム
  4. π⊥ back bonding; 逆供与でπ結合が強くなる?!
  5. ヘル・フォルハルト・ゼリンスキー反応 Hell-Volhard-Zelinsky Reaction
  6. 米国もアトピー薬で警告 発がんで藤沢製品などに
  7. 薬学会年会も付設展示会キャンペーンやっちゃいます
  8. カチオンキャッピングにより平面π系オリゴマーの電子物性調査を実現!
  9. 【医薬分野のみなさま向けウェブセミナー】マイクロ波を用いた革新的製造プロセスとヘルスケア領域への事業展開
  10. ITを駆使して新薬開発のスピードアップを図る米国製薬業界

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2011年5月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

注目情報

最新記事

植物由来アルカロイドライブラリーから新たな不斉有機触媒の発見

第632回のスポットライトリサーチは、千葉大学大学院医学薬学府(中分子化学研究室)博士課程後期3年の…

MEDCHEM NEWS 33-4 号「創薬人育成事業の活動報告」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

第49回ケムステVシンポ「触媒との掛け算で拡張・多様化する化学」を開催します!

第49回ケムステVシンポの会告を致します。2年前(32回)・昨年(41回)に引き続き、今年も…

【日産化学】新卒採用情報(2026卒)

―研究で未来を創る。こんな世界にしたいと理想の姿を描き、実現のために必要なものをうみだす。…

硫黄と別れてもリンカーが束縛する!曲がったπ共役分子の構築

紫外光による脱硫反応を利用することで、本来は平面であるはずのペリレンビスイミド骨格を歪ませることに成…

有機合成化学協会誌2024年11月号:英文特集号

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2024年11月号がオンライン公開されています。…

小型でも妥協なし!幅広い化合物をサチレーションフリーのELSDで検出

UV吸収のない化合物を精製する際、一定量でフラクションをすべて収集し、TLCで呈色試…

第48回ケムステVシンポ「ペプチド創薬のフロントランナーズ」を開催します!

いよいよ本年もあと僅かとなって参りましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。冬…

3つのラジカルを自由自在!アルケンのアリール–アルキル化反応

アルケンの位置選択的なアリール–アルキル化反応が報告された。ラジカルソーティングを用いた三種類のラジ…

【日産化学 26卒/Zoomウェビナー配信!】START your ChemiSTORY あなたの化学をさがす 研究職限定 キャリアマッチングLIVE

3日間で10領域の研究職社員がプレゼンテーション!日産化学の全研究領域を公開する、研…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP