[スポンサーリンク]

M

マンダー試薬 Mander’s Reagent

[スポンサーリンク]

 

概要

金属エノラートにカルボキシル基を導入するための優れた試薬。

クロロギ酸エステルなどでは往々にしてO-アシル化との混合物を生成するが、シアノギ酸メチル(Mander試薬)を用いると、C-アシル化が優先的に進行する。

ルイス酸もしくは求核触媒存在下に、カルボニル基へシアノ付加を起こすことも出来る。

基本文献

  • Mander, L. N.; Sethi, S. P. Tetrahedron Lett. 198324, 5425. doi:10.1016/S0040-4039(00)87886-7
  • Crabtree, S. R.; Chu, W. L. A.; Mander, L. N. Synlett 1990, 169. DOI: 10.1055/s-1990-21025
  • Bissember, A. C. Synlett 2009, 681. DOI: 10.1055/s-0028-1087716

 

反応機構

Mander_rgt_2.gif

反応例

Strychinineの合成[1]

Mander_rgt_3

Ingenolの合成[2]

Mander_rgt_4

実験手順

 

実験のコツ・テクニック

 

参考文献

[1] Knight, S. D.; Overman, L. E.; Pairaudeau, G. J. Am. Chem. Soc. 1993, 115, 9293. doi:10.1021/ja00073a057
[2] Winkler, J. D.; Rouse, M. B.; Greaney, M. F.; Harison, S. J.; Jeon, Y. T. J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 9726. DOI: 10.1021/ja026600a

関連書籍

 

外部リンク

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. スマイルス転位 Smiles Rearrangement
  2. プリリツェフ エポキシ化 Prilezhaev Epoxidat…
  3. ビシュラー・ナピエラルスキー イソキノリン合成 Bischler…
  4. プメラー転位 Pummerer Rearrangement
  5. FAMSO
  6. 【クリックは完了. よし壊せ!】イミノカルベノイドによる渡環およ…
  7. 芳香族メタ光環化付加 Aromatic meta-photoc…
  8. ピクテ・スペングラー反応 Pictet-Spengler Rea…

注目情報

ピックアップ記事

  1. 「高分子材料を進化させる表面・界面制御の基礎」
  2. 究極の脱水溶媒 Super2(スーパー スクエア):関東化学
  3. 【書籍】セルプロセッシング工学 (増補) –抗体医薬から再生医療まで–
  4. クロう(苦労)の産物!Clionastatinsの合成
  5. 第3のフラッシュ自動精製装置がアップグレード:分取クロマトグラフィーシステムPure
  6. 【PR】Chem-Stationで記事を書いてみませんか?【スタッフ募集】
  7. フラーレンの中には核反応を早くする不思議空間がある
  8. 小山 靖人 Yasuhito Koyama
  9. 公募開始!2020 CAS Future Leaders プログラム(2020年1月26日締切)
  10. 第23回日本蛋白質科学年会 企画ワークショップ『反応化学の目からタンパク質を理解し、制御する』

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2011年5月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

注目情報

最新記事

四置換アルケンのエナンチオ選択的ヒドロホウ素化反応

四置換アルケンの位置選択的かつ立体選択的な触媒的ヒドロホウ素化が報告された。電子豊富なロジウム錯体と…

【12月開催】 【第二期 マツモトファインケミカル技術セミナー開催】 題目:有機金属化合物 オルガチックスのエステル化、エステル交換触媒としての利用

■セミナー概要当社ではチタン、ジルコニウム、アルミニウム、ケイ素等の有機金属化合物を“オルガチッ…

河村奈緒子 Naoko Komura

河村 奈緒子(こうむら なおこ, 19xx年xx月xx日-)は、日本の有機化学者である。専門は糖鎖合…

分極したBe–Be結合で広がるベリリウムの化学

Be–Be結合をもつ安定な錯体であるジベリロセンの配位子交換により、分極したBe–Be結合形成を初め…

小松 徹 Tohru Komatsu

小松 徹(こまつ とおる、19xx年xx月xx日-)は、日本の化学者である。東京大学大学院薬学系研究…

化学CMアップデート

いろいろ忙しくてケムステからほぼ一年離れておりましたが、少しだけ復活しました。その復活第一弾は化学企…

固有のキラリティーを生むカリックス[4]アレーン合成法の開発

不斉有機触媒を利用した分子間反応により、カリックスアレーンを構築することが可能である。固有キラリ…

服部 倫弘 Tomohiro Hattori

服部 倫弘 (Tomohiro Hattori) は、日本の有機化学者。中部大学…

ぱたぱた組み替わるブルバレン誘導体を高度に置換する

容易に合成可能なビシクロノナン骨格を利用した、簡潔でエナンチオ選択的に多様な官能基をもつバルバラロン…

今年は Carl Bosch 生誕 150周年です

Tshozoです。タイトルの件、本国で特に大きなイベントはないようなのですが、筆者が書かずに誰が…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP