アルカン → アルカン
概要
カルボニル化合物を塩基で処理して生成するエノラートは、種々のアルキルハライドと反応してα-アルキル化体を与える。
アルキル化剤の酸素親和性(ハード性)が高いと、O-アルキル化が競合する。例えばシリルクロライドは通常エノラート酸素原子と反応し、シリルエノラートを与える。Meerwein試薬もO-アルキル化体を主に与える。
基本文献
反応機構
反応例
Togni試薬を用いる求電子的トリフルオロメチル化[1]:きわめてマイルドな条件下に進行する事が特徴。試薬は市販されている。
Glycine Schiff塩基のα位プロトンの酸性度は高く、適切な塩基を用いれば穏和な条件下にエノラート生成が行える。不斉相間移動触媒(Chiral
Phase-Transfer Catalyst)を用いて不斉アルキル化を行うことで、光学活性アミノ酸へと誘導できるため価値が高い。ビナフチル骨格を有する丸岡触媒を用いる例[2]を以下に示す。
実験手順
実験のコツ・テクニック
参考文献
[1] Eisenberger, P.; Gischig, S.; Togni, A. Chem. Eur. J. 2006, 12, 2579. doi:10.1002/chem.200501052 [2] (a) Kitamura, M.; Shirakawa, S.; Maruoka, K. Angew. Chem. Int. Ed. 2005, 44, 1549. doi:10.1002/anie.200462257 (b) Review: Hashimoto, T.; Maruoka, K. Chem. Rev. 2007, 107, 5656. DOI: 10.1021/cr068368n (c) Review: Ooi, T.; Maruoka, K. Aldrichimica Acta 2007, 40, 77. [PDF]
関連反応
- エノラートの酸化的カップリング Oxidative Coupling of Enolate
- メーヤワイン試薬 Meerwein Reagent
- 求電子的フッ素化剤 Electrophilic Fluorination Reagent
- アセト酢酸エステル/マロン酸エステル合成 Acetoacetic Ester / Malonic Ester Synthesis
- マイヤース 不斉アルキル化 Myers Asymmetric Alkylation
- ストーク エナミン Stork Enamine
- 辻・トロスト反応 Tsuji-Trost Reaction
- フリーデル・クラフツアルキル化 Friedel-Crafts Alkylation
- (古典的)アルドール反応 (Classical) Aldol Reaction
関連書籍
外部リンク
- Phase Transfer Catalyst – Wikipedia
- 相間移動触媒 (有機って面白いよね!)
- 相間移動触媒 – Wikipedia
- 不斉相間移動触媒 (PDF、TCI)