[スポンサーリンク]

odos 有機反応データベース

ティシチェンコ反応 Tishchenko Reaction

[スポンサーリンク]

 

概要

ルイス酸触媒存在下、二等量のアルデヒドがヒドリド転位を介して縮合し、エステルを得る反応。

三等量のアルデヒドからアルドール反応→Tishchenko反応と連続的に起き、1,3-ジオールモノエステルを与える反応はアルドール-Tishchenko反応と呼ばれる。SmI2を用いることで高立体選択的にTishchenko還元を進行させられる(Evans変法)。

tishchenko_3.gif

 

基本文献

  • Tishchenko, V. J. Russ. Phys. Chem. Soc. 190638, 355, 482, 540, 547.
  • Review for Aldol-Tishchenko reaction: Mahrwald, R. Curr. Org. Chem. 2003, 7, 1713.
  • Evans Modification: Evans, D. A.; Hoveyda, A. H. J. Am. Chem. Soc. 1990, 112, 6447. DOI: 10.1021/ja00173a071

 

反応機構

tishchenko_2.gif

反応例

Rapamycinの合成[1] tishchenko_4.gif

実験手順

 

実験のコツ・テクニック

 

参考文献

[1] Romo, D.; Meyer, S. D.; Johnson, D. D.; Schreiber, S. L. J. Am. Chem. Soc. 1993, 115, 7906. DOI: 10.1021/ja00070a058

 

関連反応

 

関連書籍

 

外部リンク

関連記事

  1. ヒンスバーグ オキシインドール合成 Hinsberg Oxind…
  2. アセト酢酸エステル/マロン酸エステル合成 Acetoacetic…
  3. コーンブルム酸化 Kornblum Oxidation
  4. アシロイン縮合 Acyloin Condensation
  5. クリンコヴィッチ反応 Kulinkovich Reaction
  6. ヒドロメタル化 Hydrometalation
  7. サクセナ・エヴァンス還元 Saksena-Evans Reduc…
  8. ネバー転位 Neber Rearrangement

注目情報

ピックアップ記事

  1. 電気ウナギに学ぶ:柔らかい電池の開発
  2. ケムステニュース 化学企業のグローバル・トップ50が発表【2019年版】
  3. ここまでできる!?「DNA折り紙」の最先端 ① ~入門編~
  4. 基底三重項炭化水素トリアンギュレンの単離に世界で初めて成功
  5. 製薬業界の研究開発費、増加へ
  6. 谷野 圭持 Keiji Tanino
  7. 構造生物学
  8. 世界最高の活性を示すアンモニア合成触媒の開発
  9. マレーシア警察:神経剤VX検出で、正男氏は化学兵器による毒殺と判定
  10. 孫悟飯のお仕事は?

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2009年9月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

注目情報

最新記事

ディストニックラジカルによる多様なアンモニウム塩の合成法

第643回のスポットライトリサーチは、関西学院大学理工学研究科 村上研究室の木之下 拓海(きのした …

MEDCHEM NEWS 34-1 号「創薬を支える計測・検出技術の最前線」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

医薬品設計における三次元性指標(Fsp³)の再評価

近年、医薬品開発において候補分子の三次元構造が注目されてきました。特に、2009年に発表された論文「…

AI分子生成の導入と基本手法の紹介

本記事では、AIや情報技術を用いた分子生成技術の有機分子設計における有用性や代表的手法について解説し…

第53回ケムステVシンポ「化学×イノベーション -女性研究者が拓く未来-」を開催します!

第53回ケムステVシンポの会告です!今回のVシンポは、若手女性研究者のコミュニティと起業支援…

Nature誌が発表!!2025年注目の7つの技術!!

こんにちは,熊葛です.毎年この時期にはNature誌で,その年注目の7つの技術について取り上げられま…

塩野義製薬:COVID-19治療薬”Ensitrelvir”の超特急製造開発秘話

新型コロナウイルス感染症は2023年5月に5類移行となり、昨年はこれまでの生活が…

コバルト触媒による多様な低分子骨格の構築を実現 –医薬品合成などへの応用に期待–

第 642回のスポットライトリサーチは、武蔵野大学薬学部薬化学研究室・講師の 重…

ヘム鉄を配位するシステイン残基を持たないシトクロムP450!?中には21番目のアミノ酸として知られるセレノシステインへと変異されているP450も発見!

こんにちは,熊葛です.今回は,一般的なP450で保存されているヘム鉄を配位するシステイン残基に,異な…

有機化学とタンパク質工学の知恵を駆使して、カリウムイオンが細胞内で赤く煌めくようにする

第 641 回のスポットライトリサーチは、東京大学大学院理学系研究科化学専攻 生…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー