概要
チタン-BINOLルイス酸触媒を用いる、アルデヒド・アリルスズ間の不斉アリル化反応。
基本文献
- Keck, G. E.; Tarbet, K. H.; Geraci, L. S. J. Am. Chem. Soc. 1993, 115, 8467. DOI: 10.1021/ja00071a074
- Keck, G. E.; Krishnamurthy, D.; Grier, M. C. J. Org. Chem. 1993, 58, 6543. DOI: 10.1021/jo00076a005
- Keck, G. E.; Geraci, L. S. Tetrahedron Lett. 1993, 34, 7827. doi:10.1016/S0040-4039(00)61486-7
反応機構
反応例
Epothilone類の合成[1]
実験手順
実施例[2]
攪拌子を備えた250mL丸底フラスコに(S)-BINOL(1.14 g, 4.0 mmol)のジクロロメタン(40mL)溶液を調製する。粉末状モレキュラーシーブス4A(16g)を加え、シリンジで1Mチタンテトライソプロポキシド
ジクロロメタン溶液(4.0 mL, 4.0 mmol)を加える。その赤橙色懸濁液を1時間加熱還流する。室温まで放冷後、benzyloxyacetaldehyde
(6.0 g, 40 mmol)のジクロロメタン(6mL)溶液をシリンジで加える。反応溶液を室温にて5分攪拌後、-78℃に冷却する。それにアリルトリブチルスズ(15.9
g, 14.9 mL, 48 mmol)をシリンジで加え、フリーザー(-20℃)の中で60時間攪拌せずに放置する。飽和重曹水(50mL)を加えて反応を停止し、ジクロロメタン(50mL)で希釈、室温にて2時間攪拌する。モレキュラーシーブスをセライトろ過で除去し、水層をジクロロメタン(2×25mL)で抽出する。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥させる。ろ過ごエバポレータで減圧濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィで精製することで目的物を得る(6.16-6.69
g, 収率80-87%, 94-96%ee)。
実験のコツ・テクニック
参考文献
[1] Danishefsky, S. J. et al. J. Am. Chem. Soc. 1997, 119, 10073. DOI: 10.1021/ja971946k [2] Keck, G. E.; Krishnamurthy, D. Org. Synth. 1998, 75, 12. [PDF]
関連反応
関連書籍
外部リンク