概要
Garnerアルデヒドは、L-セリンもしくはD-セリンから両鏡像異性体を容易に大量調製することができる。市販品の購入も可能。
アミノアルデヒドのα位は多くの場合エピメリ化しやすく、光学活性なものを調製することは難しい。Garnerアルデヒドではエピメリ化が起こりにくく、安定なキラリティが保持される。
Garnerアルデヒドへの求核付加は、きわめて高いジアステレオ選択性で起こる。選択性はFelkin-Anhモデルもしくはキレーションモデルにより予測が可能。連続する不斉炭素を有する光学活性アミノアルコールを合成するための、キラルビルディングブロックとして大変重宝する。
基本文献
- Garner, P. Tetrahedron Lett. 1984, 25, 5855. doi:10.1016/S0040-4039(01)81703-2
- Garner, P.; Ramakanth, S. J. Org. Chem. 1986, 51, 2609. DOI: 10.1021/jo00363a044
- Garner, P.; Park, J. M.; Malecki, E. J. Org. Chem. 1988, 53, 4395. DOI: 10.1021/jo00253a039
- Garner, P.; Park, J. M. Org. Synth. 1991, 70, 18.
- Review: Liang, X.; Andersch, J.; Bols, M. J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1 2001, 2136, DOI: 10.1039/b101054i
反応機構
選択性はFelkin-Anhモデルもしくはキレーションモデルにより予測が可能。
反応例
実験手順
Garnerアルデヒドの調製法[1]
※Garnerの確立した調製法(Org. Synth., 1991)は再現性に乏しく、光学純度の低下が懸念されている。上記のMcKillopらによる改良法がベター。
※Swern酸化の塩基処理はHünig Baseを使うこと。トリエチルアミン処理では光学純度が80%ee程度にまで低下する。
実験のコツ・テクニック
参考文献
[1] (a) McKillop, A.; Taylor, R. J. K.; Watson, R. J.; Lewis, N. Synthesis 1994, 31. DOI: 10.1055/s-1994-25398 (b) Dondoni A,; Perrone, D. Org. Synth. 2000, 77, 64. [PDF]
関連書籍