概要
電子対供与基から数えて3位(γ位)に脱離基が存在すると、開裂反応が進行しうる。
基本文献
- Grob, C. A.; Baumann, W. Helv. Chim. Acta 1955, 38, 594.
- Weyerstahl, P.; Marschall, H. Comprehensive Organic Synthesis 1991, 6, 1044.
- Prantz, K.; Mulzer, J. Chem Rev 2010, 110, 3741. DOI: 10.1021/cr900386h
開発の歴史
Cyril A. Grob(1917-2003)によって1955年に報告された反応。しかし、最近の総説(Chem. Rev. 2010)よりGrobが最初の発見者でないことが述べられている。
反応機構
上記スキーム参照。 脱離基と開裂する結合がアンチペリプラナーとなる遷移状態を経由する。
反応例
trans-/cis-デカリンモノスルホン酸エステルのGrob開裂反応では、それぞれ対応するトランスおよびシスアルケンが立体特異的に生じる。
Taxolの合成[1]:合成の難しい中~大員環化合物の合成における強力な手法となる。
実験手順
実験のコツ・テクニック
参考文献
- Wender, P. A. et al. J. Am. Chem. Soc. 1997, 119, 2755 & 2757. DOI: 10.1021/ja9635387 DOI: 10.1021/ja963539z
関連反応
- 脱離反応 Elimination Reaction
- ワートン反応 Wharton Reaction
- エッシェンモーザー・タナベ開裂反応 Eschenmoser-Tanabe Fragmentation
関連書籍
外部リンク
- Grob Fragmentation (Wikipedia)