[スポンサーリンク]

C

アルキンの環化三量化反応 Cyclotrimerization of Alkynes

[スポンサーリンク]

 

概要

ニッケル、ロジウムなどを始めとし、さまざまな遷移金属錯体がアルキンの環化三量化触媒としてはたらくことが報告されている。なかでもジカルボニル(シクロペンタジエニル)コバルト
CpCp(CO)2
は汎用性の高い触媒の一つとして知られている。

分子間反応では位置選択性の問題が常に付随するため、分子内反応を適切に組み合わせて用いられることが多い。

 

基本文献

 

反応機構

参考:J. Am. Chem. Soc. 1983105, 1907.
yne-ar2.gif

反応例

o-キノジメタン生成プロセスと組み合わせることで、複雑な縮環骨格を短工程で合成できる。
alkyene_trimer_3.gif
ニトリル一分子を組み込んだ、ピリジン誘導体合成も可能である。
alkyene_trimer_4.gif
不斉化の例[1] alkyene_trimer_5.gif
ベンザイン(=ひずんだアルキン)の環化三量化
alkyene_trimer_6.gif
コンプラナジンAの全合成[2] alkyne_trimer_7.gif

実験手順

 

実験のコツ・テクニック

 

参考文献

[1] Sato, Y.; Nishimata, T.; Mori, M. J. Org. Chem. 199459, 6133. DOI: 10.1021/jo00100a003
[2] Yuan, C.; Chang, C-T.; Axelrod, A.; Siegel, D. J. Am. Chem. Soc. 2010, 132, 5924. DOI: 10.1021/ja101956x

 

関連反応

 

関連書籍

 

外部リンク

関連記事

  1. ノリッシュ・ヤン反応 Norrish-Yang Reaction…
  2. ベンジルオキシカルボニル保護基 Cbz(Z) Protectin…
  3. ウルフ・デッツ反応 Wulff-Dotz Reaction
  4. ブラン・ウレー クロロアルキル化 Blanc-Quellet C…
  5. リスト・バルバス アルドール反応 List-Barbas Ald…
  6. ペタシス反応 Petasis Reaction
  7. 相間移動触媒 Phase-Transfer Catalyst (…
  8. フリードレンダー キノリン合成 Friedlander Quin…

注目情報

ピックアップ記事

  1. 第25回「ペプチドを化学ツールとして細胞を操りたい」 二木史朗 教授
  2. 和光純薬を富士フイルムが買収へ
  3. 細見・櫻井アリル化反応 Hosomi-Sakurai Allylation
  4. 炭素をつなげる王道反応:アルドール反応 (3)
  5. 有賀 克彦 Katsuhiko Ariga
  6. 化学者のためのエレクトロニクス講座~無電解卑金属めっきの各論編~
  7. 演習で学ぶ有機反応機構―大学院入試から最先端まで
  8. ボロン酸MIDAエステル MIDA boronate
  9. 4-(ジメチルアミノ)ベンゼンチオール : 4-(Dimethylamino)benzenethiol
  10. ピロティ・ロビンソン ピロール合成 Piloty-Robinson Pyrrole Synthesis

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2009年8月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  

注目情報

最新記事

城﨑 由紀 Yuki SHIROSAKI

城﨑 由紀(Yuki SHIROSAKI)は、生体無機材料を専門とする日本の化学者である。2025年…

中村 真紀 Maki NAKAMURA

中村真紀(Maki NAKAMURA 産業技術総合研究所)は、日本の化学者である。産業技術総合研究所…

フッ素が実現する高効率なレアメタルフリー水電解酸素生成触媒

第638回のスポットライトリサーチは、東京工業大学(現 東京科学大学) 理学院化学系 (前田研究室)…

【四国化成ホールディングス】新卒採用情報(2026卒)

◆求める人財像:『使命感にあふれ、自ら考え挑戦する人財』私たちが社員に求めるのは、「独創力」…

マイクロ波に少しでもご興味のある方へ まるっとマイクロ波セミナー 〜マイクロ波技術の基本からできることまで〜

プロセスの脱炭素化及び効率化のキーテクノロジーとして注目されている、電子レンジでおなじみの”マイクロ…

世界の技術進歩を支える四国化成の「独創力」

「独創力」を体現する四国化成の研究開発四国化成の開発部隊は、長年蓄積してきた有機…

四国化成ってどんな会社?

私たち四国化成ホールディングス株式会社は、企業理念「独創力」を掲げ、「有機合成技術」…

アザボリンはニ度異性化するっ!

1,2-アザボリンの光異性化により、ホウ素・窒素原子を含むベンズバレンの合成が達成された。本異性化は…

マティアス・クリストマン Mathias Christmann

マティアス・クリストマン(Mathias Christmann, 1972年10…

ケムステイブニングミキサー2025に参加しよう!

化学の研究者が1年に一度、一斉に集まる日本化学会春季年会。第105回となる今年は、3月26日(水…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー