概要
極めて穏和な条件下、アルデヒドをカルボン酸に酸化する反応。
Jones酸化、PDC、四酸化ルテニウムなどを用いればアルコールを一段階でカルボン酸へと変換することは可能であるものの、条件が比較的強力なため、合成終盤の多官能基性化合物には適さないことが多い。この場合には、よりマイルドな条件でおこなえる、アルコール→アルデヒド→カルボン酸という二段階酸化がしばしば用いられる。Pinnick酸化は二段階目における定法である。
基本文献
- Kraus, G. A.; Roth, B. J. Org. Chem. 1980, 45, 4825. DOI: 10.1021/jo01312a004
- Kraus, G. A.; Taschner, M. J. J. Org. Chem. 1980, 45, 1175. DOI: 10.1021/jo01294a058
- Bal, B. S.; Childers, W. E., Jr.; Pinnick, H. W. Tetrahedron 1981, 37, 2091. doi:10.1016/S0040-4020(01)97963-3
反応機構
2-メチル-2-ブテンは、副生してくる次亜塩素酸や塩素のスカベンジャーとして働き、副反応を防いでいる。
反応例
実験手順
官能基受容性の高さが最大の特徴である。
Norzoanthamineの合成[1]
Platensimycinの合成[2]
実験のコツ・テクニック
参考文献
[1] Miyashita, M.; Tanino, K. et al. Science 2004, 305, 495. DOI: 10.1126/science.1098851[2] (a) Nicolaou, K. C.; Li, A.; Edmonds, E. J. Angew. Chem. Int. Ed. 2006, 45, 7086. doi:10.1002/anie.200603892
(b) Nicoalou, K. C.; Edmonds, E. J.; Li, A.; Tria, G. S. Angew. Chem. Int. Ed. 2007, 46, 3942. doi:10.1002/anie.200700586
関連反応
関連書籍
外部リンク
- Sodium Chlorite (Wikipedia)