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ピーターソンオレフィン化 Peterson Olefination

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概要

アルデヒドやケトンに対してα-シリルカルボアニオンを付加させ得られる中間体を、酸または塩基条件で処理すると、シラノールが脱離する。トータルでみればカルボニル基をアルケンに変換する反応となる。シラノールの脱離は立体特異的で、酸性条件と塩基性条件の違いで特異性が逆転する

また、Wittig反応などと比較しての、シリルカルボアニオンの反応性の高さや、脱離副生物であるシラノールが揮発性で除きやすいという点も、特筆すべきメリットである。

基本文献

  • Peterson, D. J. J. Org. Chem. 1968, 33, 780. DOI: 10.1021/jo01266a061
  • Ager, D. J. Synthesis 1984, 384.
  • Ager, D. J. Org. React. 1990, 38, 1.
  • Kelly, S. E. Comp. Org. Syn. 1991, 1, 731 & 782.
  • van Staden, L. F.; Gravestock, D.; Ager, D. j. Chem. Soc. Rev. 2002, 31, 195. DOI: 10.1039/A908402I

 

反応機構

シラノールの脱離は立体特異的で、条件の違いで特異性が逆転する。すなわち、酸性条件では、ヒドロキシル基のプロトン化を経由して、シラノールがアンチ脱離する。一方塩基性条件では、アルコラートのシリル基への分子内攻撃が起こり、シラノラートがシン脱離する。このため、逆の幾何配置でアルケンを与える。
one-ene32.gif

反応例

one-ene33.gif

実験手順

 

実験のコツ・テクニック

 

参考文献

[1] Ager, D. J. Org. React. 1990, 38, 1.

 

関連反応

 

関連書籍

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外部リンク

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