概要
Perkin反応、Darzens反応、アルドール反応などではカルボニルのα-アニオンを求核種として用いるが、この反応ではニトロアルカンのα-アニオンを用いる。ニトロアルカンのα-プロトンの酸性度は高く、アミン程度の塩基性で十分な温和な条件で進行する。
ニトロアルカンは接触還元法などによりアミンに変換でき、また、Nef反応によりカルボン酸に変換できる有用合成中間体である。
近年では不斉触媒、とくに有機分子触媒による不斉Henry反応の開発がきわめて盛んである。
基本文献
- Henry, L. Compt. Rend. 1895, 120, 1265.
反応機構
反応例
現在でも様々な改良が報告され続けている。それほど強力な活性化条件を必要としないため、温和な条件で反応が進行しうる触媒が多数見出されている。最近では有機分子触媒を用いる不斉反応への展開例が多数報告されている。以下はその一例で、シンコナアルカロイド誘導体を用いる例[1]である。
実験手順
実験のコツ・テクニック
参考文献
[1] Li H.; Wang, B.; Deng, L. J. Am. Chem. Soc. 2006,128, 732. DOI: 10.1021/ja057237l関連反応
- 還元的アルドール反応 Reductive Aldol Reaction
- ダルツェンス縮合反応 Darzens Condensation
- パーキン反応 Perkin Reaction
- 向山アルドール反応 Mukaiyama Aldol Reaction
- 交差アルドール反応 Cross Aldol Reaction
- (古典的)アルドール反応 (Classical) Aldol Reaction
関連書籍
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外部リンク
- Nitroaldol Reacion (Wikipedia)
- ニトロメタン (Wikipedia日本)
- Henry Reaction
- Henry Reaction (organic-chemistry.org)
- Enantioselective
- Aza-Henry and Aza-Michael Reaction (organic-chemistry.org)