概要
トリフェニルホスフィンなどのリン試薬とアジドを反応させると、Staudinger反応によってアザリンイリド中間体が生じる。これはカルボニル化合物と反応してとイミンを生成する。Wittig反応の窒素バージョンと考えられる。
基本文献
Review
- Shah, S.;Protasiewicz,J. D. Coord. Chem. Rev. 2000, 210, 181. doi:10.1016/S0010-8545(00)00311-8
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Palacios, F.; Alonso, C.; Aparicio, D.; Rubiales, G; M. de los Santos, J. M. Tetrahedron, 2007, 63, 523. DOI: 10.1016/j.tet.2006.09.048
開発の歴史
1919年にStaudingerとMyersらがアジドにホスフィンによりアザリンイリド中間体(aza-wittig反応剤)が生じることを報告した。アザリンイリド中間体を加水分解すると対応するアミンが得られる(Staudinger Reaction)。おおよそ30年後がカルボニル化合物と反応させることで、イミンを合成することに成功した。本反応および関連反応をAza-Wittig反応と呼ぶ。
反応機構
反応例
アザリンイリドは様々な試薬と反応し、それぞれ異なる生成物を与える。以下に例をまとめる。
二級アミン合成への応用
実験手順
実験のコツ・テクニック
参考文献
関連反応
- ボーデ ペプチド合成 Bode Peptide Synthesis
- シュタウディンガー反応 Staudinger Reaction
- ホーナー・ワズワース・エモンス反応 Horner-Wadsworth-Emmons (HWE) Reaction
- ウィッティヒ反応 Wittig Reaction
関連書籍
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外部リンク
- Bertozzi ResearchGroup (UC Berkeley)
- ANew way to Engineer Cells: The Staudinger Ligation: Staudinger反応を利用した化学選択的で高収率かつ穏やかな化学ライゲーション法