概要
o-ヒドロキシアリールケトンおよび酸無水物からフラボン誘導体を得る手法。飽和の酸無水物を用いる場合はKostaneckiアシル化とも言われる。
基本文献
- Allan, J.; Robinson, E. J. Chem. Soc. 1924, 125, 2192.DOI: 10.1039/CT9242502192
- Dyke, S. F.; Ollis, W. D.; Sainsbury, M. J. Org. Chem.1961, 26, 2453. DOI: 10.1021/jo01351a072
- Szell, T.; Dozsai, L.; Zarandy, M.; Menyharth, M. Tetrahedron 1969, 25, 715. doi:10.1016/0040-4020(69)85003-9
- Horie, T.; Tsukayama, M.; Kawamura, Y.; Seno, M. J. Org. Chem. 1987, 52, 4702. DOI: 10.1021/jo00230a009
開発の歴史
1924年イギリスの化学者ロビンソンとその学生アランによって開発された。ロビンソンはロビンソン環化反応の開発者でもあり、アルカロイドの構造決定にも多大な貢献をしたことから1947年にノーベル化学賞を受賞した。
反応機構
反応例
実験手順
フラボノイドの合成[1]
アセトフェノン誘導体(10 mmol)と安息香酸無水物誘導体 (37-40 mmol)に カリウム(ナトリウム)ベンゾエート (20mmol)を加え、170-180 ℃ で8 時間減圧下加熱する。加熱後、混合物をメタノールーアセトンー水(ca. 3:l:l; 250-400 mL)に溶解させる。溶液を、KOH (7.0 g, 125 mmol)水溶液 (20 mL)で14-20分間加熱還流させた後、水で希釈する。溶媒を減圧留去させた溶液に二酸化炭素を飽和させ、フェノール性の化合物を濾過、酢酸エチルで抽出する。得られた粗生成物を再結晶することで、生成物のフラボンを得る(収率45%)。
実験のコツ・テクニック
参考文献
[1] Horie, T.; Tsukayama, M.; Kawamura, Y.; Seno, M. J. Org. Chem. 1987, 52, 4702. DOI: 10.1021/jo00230a009関連書籍
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