概要
通常、環化による大環状化合物の合成には、望ましくない分子間反応を避けるために高度希釈法を用いるなどの工夫が必要となる。一方でクラウンエーテルなどの環形成には、環の大きさに見合う金属イオンを共存させ、環化に都合のよい状態を作り出すことができる。
一般に、適切なゲスト分子を選ぶことで望みのホスト分子を選択的に合成することが出来る。これを鋳型合成という。
基本文献
- Pedersen, C. J. J. Am. Chem. Soc. 1967, 89, 2495. doi:10.1021/ja00986a052
- Pedersen, C. J. J. Am. Chem. Soc. 1967, 89, 7017. doi:10.1021/ja01002a035
- Gokal, G. W.; Durst, H. D. Synthesis 1976, 168. DOI: 10.1055/s-1976-23980
- Brandshaw, J. S.; Stott, P. E. Tetrahedron 1980, 36, 461. doi:10.1016/0040-4020(80)80025-1
反応機構
適当な陽イオンに配位することで、環化に適した位置関係から反応が進行する。
反応例
近年ではこの考え方を発展させ、カテナンやボロミアンリング[1]などのMechanically
Interlocked Moleculesを、高効率的に合成することにも成功している。
実験手順
実験のコツ・テクニック
参考文献
[1] Stoddart, J. F. et al. Science 2004, 304, 1308. DOI: 10.1126/science.1096914
関連反応
関連書籍
外部リンク
- クラウンエーテル (Wikipedia日本)
- チャールズ・ペダーセン (Wikipedia日本)
- カテナン – Wikipedia
- Crown Ether (Wikipedia)
- Charles Pedersen (Wikipedia)
- 18-crown-6 (Wikipedia)
- Catenane (Wikipedia)
- Borromean Rings (Wikipedia)
- 有機って面白いよね!!「有機の王冠」
- クラウンエーテルの話 (有機化学美術館)
- 分子の知恵の輪カテナン (1) (2)