概要
アルケン/アルキンを基質とする場合には、合成化学的観点からはとりわけM = B(Brownヒドロホウ素化)、Al(ヒドロアルミニウム化)、Zr(ヒドロジルコノ化)、Sn(ヒドロスタニル化)、Si(ヒドロシリル化)が広く利用される。通常syn付加形式で進行するが、特別なケースにはanti付加も観測されうる。Schwartz試薬(Cp2ZrHCl)は特に合成的有用性の高いヒドロメタル化試薬として知られている。
生成するアルキル/アルケニル金属種はそれ自体が活性中間体となり、求電子剤などと反応させることでさらなる変換を施すことが可能。
基本文献
反応機構
反応例
DIBALやRed-Alもアルキンに対してヒドロメタル化を起こすことが知られている。
ヒドロマグネシウム化は、チタノセン触媒およびβ水素を有するGrignard試薬を用いることで実現できる。[1]定法では合成の難しいGrignard試薬の調製目的に有効。
ヒドロスタニル化は、適切な遷移金属触媒存在下に進行する。パラジウムが現在ではもっとも用いられている。立体選択的なアルケニルヨウ素化合物の合成に適する。
実験手順
実験のコツ・テクニック
参考文献
[1] Org. Synth. 1993, 8, 507. [2] Smith, A. B., III et al. J. Am. Chem. Soc. 2001, 123, 10942. DOI: 10.1021/ja011604l
関連反応
- 根岸カルボメタル化 Negishi Carbometalation
- 水素化ビス(2-メトキシエトキシ)アルミニウムナトリウム Red-Al
- シュワルツ試薬 Schwartz’s Reagent
- 水素化ジイソブチルアルミニウム Diisobutylaluminium hydride
- ヒドロシリル化反応 Hydrosilylation
- 有機リチウム試薬 Organolithium Reagents
- ブラウンヒドロホウ素化反応 Brown Hydroboration
関連書籍
外部リンク