[スポンサーリンク]

F

フィッシャー インドール合成 Fischer Indole Synthesis

[スポンサーリンク]

概要

アルデヒド・ケトンとアリールヒドラジンとの反応で生成するアリールヒドラゾンを酸触媒の存在下加熱すると、シグマトロピー環化を経て置換インドールが生成する。

アルカロイドや医薬品の合成に欠かせない汎用性の高い手法の一つである。

比較的入手容易なアリールハライドとヒドラゾン間のBuchwald-Hartwigカップリングを経由する改良法も開発されている(Buchwald変法)。


fischer_indole_4.gif

基本文献

  • Fischer, E.; Jourdan, F. Ber. 1883, 16, 2241.
  • Fischer, E.; Hess, O. Ber. 1884, 17, 559.
  • Miyata, O.; Kimura, Y.; Muroya, K.; Hiramatsu, H.; Naito, T. Tetrahedron Lett. 1997, 62, 425. DOI: 10.1016/S0040-4039(99)00583-3

<Buchwald Modification>

  • Wagaw, S.; Yang, B. H.; Buchwald, S. L. J. Am. Chem. Soc. 1998, 120, 6621. DOI: 10.1021/ja981045r
  • Wagaw, S.; Yang, B. H.; Buchwald, S. L. J. Am. Chem. Soc. 1999, 121, 10251. DOI: 10.1021/ja992077x

<総説>

 

反応機構


fisher.jpg

反応例

Peduncularineの合成[1]


fischer_indole_3.gif

インドメタシンの合成


fischer_indole_2.gif

ハプロフィチンの合成[2]


fischer_indole_5.gif

触媒的不斉Fischerインドール合成[3]

fischer_indole_7.gif

実験手順

 

実験のコツ・テクニック

 

参考文献

[1] Roberson, C. W.; Woerpel, K. A, J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 11342. DOI: 10.1021/ja012152f
[2] Ueda, H.; Satoh, H.; Matsumoto, K.; Sugimoto, K.; Fukuyama, T.; Tokuyama, H. Angew. Chem. Int. Ed. 2009, 48, 7600. doi: 10.1002/anie.200902192
[3] Muller, S.; Webber, M. J.; List, B. J. Am. Chem. Soc. 2011, 133, 18534. DOI: 10.1021/ja2092163

 

関連反応

 

関連書籍

[amazonjs asin=”0471100099″ locale=”JP” title=”The Fischer Indole Synthesis”]

 

外部リンク

関連記事

  1. シリル系保護基 Silyl Protective Group
  2. コンラッド・リンパック キノリン合成 Conrad-Limpac…
  3. フェリエ転位 Ferrier Rearrangement
  4. フロインターベルク・シェーンベルク チオフェノール合成 Freu…
  5. MSH試薬 MSH reagent
  6. ストーク エナミン Stork Enamine
  7. ファン・ロイゼン試薬 van Leusen Reagent (T…
  8. 水素化トリ(sec-ブチル)ホウ素リチウム/ナトリウム/カリウム…

注目情報

ピックアップ記事

  1. 周期表の形はこれでいいのか? –その 1: H と He の位置 編–
  2. 外国人研究者あるある
  3. 化学研究ライフハック: 研究現場のGTD式タスク管理
  4. 高機能・高性能シリコーン材料創製の鍵となるシロキサン結合のワンポット形成
  5. 化学プラントにおけるAI活用事例
  6. コルベ・シュミット反応 Kolbe-Schmitt Reaction
  7. 巻いている触媒を用いて環を巻く
  8. ボーディペプチド合成 Bode Peptide Synthesis
  9. SNSコンテスト企画『集まれ、みんなのラボのDIY!』
  10. 平井健二 HIRAI Kenji

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2009年6月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

注目情報

最新記事

MEDCHEM NEWS 34-1 号「創薬を支える計測・検出技術の最前線」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

医薬品設計における三次元性指標(Fsp³)の再評価

近年、医薬品開発において候補分子の三次元構造が注目されてきました。特に、2009年に発表された論文「…

AI分子生成の導入と基本手法の紹介

本記事では、AIや情報技術を用いた分子生成技術の有機分子設計における有用性や代表的手法について解説し…

第53回ケムステVシンポ「化学×イノベーション -女性研究者が拓く未来-」を開催します!

第53回ケムステVシンポの会告です!今回のVシンポは、若手女性研究者のコミュニティと起業支援…

Nature誌が発表!!2025年注目の7つの技術!!

こんにちは,熊葛です.毎年この時期にはNature誌で,その年注目の7つの技術について取り上げられま…

塩野義製薬:COVID-19治療薬”Ensitrelvir”の超特急製造開発秘話

新型コロナウイルス感染症は2023年5月に5類移行となり、昨年はこれまでの生活が…

コバルト触媒による多様な低分子骨格の構築を実現 –医薬品合成などへの応用に期待–

第 642回のスポットライトリサーチは、武蔵野大学薬学部薬化学研究室・講師の 重…

ヘム鉄を配位するシステイン残基を持たないシトクロムP450!?中には21番目のアミノ酸として知られるセレノシステインへと変異されているP450も発見!

こんにちは,熊葛です.今回は,一般的なP450で保存されているヘム鉄を配位するシステイン残基に,異な…

有機化学とタンパク質工学の知恵を駆使して、カリウムイオンが細胞内で赤く煌めくようにする

第 641 回のスポットライトリサーチは、東京大学大学院理学系研究科化学専攻 生…

CO2 の排出はどのように削減できるか?【その1: CO2 の排出源について】

大気中の二酸化炭素を減らす取り組みとして、二酸化炭素回収·貯留 (CCS; Carbon dioxi…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー