[スポンサーリンク]

G

ガブリエルアミン合成 Gabriel Amine Synthesis

[スポンサーリンク]

 

概要

フタルイミドのアルキル化を利用して、第一級アミンを得る方法。ハロゲン化アルキルとアンモニアの反応から一級アミンを合成することは、ポリアルキル化が進行するため困難である。この合成法であれば確実に第一級アミンを得られる。

反応溶媒としてDMFなどの非プロトン性極性溶媒を用いると、収率が向上する(SN2反応を加速させるため)。

フタルイミドはアミンの保護基としても有用であり、ヒドラジンなどで脱保護できる。

アルキル化の代わりに、光延反応も適用可能。

基本文献

  • Gabriel, S. Ber. 1887, 20, 2224.
  • Sheehan, J. C.; Bolhofer, V. A. J. Am. Chem. Soc. 195072,2786. doi:10.1021/ja01162a527
  • Gibson, M. S.; Bradshaw, R. W. Angew. Chem. Int. Ed. Engl.  1968, 7, 919. doi:10.1002/anie.196809191
  • Dietrich, B. et al. J. Am. Chem. Soc. 1981103, 1282. DOI: 10.1021/ja00395a077
  • Mitsunobu, O. Comprehensive Organic Synthesis 19916, 79.
  •  Sen, S. E.; Roach, S. L. Synthesis 1994, 756.
  • deprotection of phthalimide with hydrazine: Osby, J. O.; Martin, M. G.; Ganem, B. Tetrahedron Lett. 198425, 2093. doi:10.1016/S0040-4039(01)81169-2

 

反応機構

参考: J. Org. Chem. 1985, 60, 4536.
gabrie3.gif

反応例

光延反応条件を適用した例[1]
gabriel_3.gif

実験手順

gabriel_4.gif
ビスフタルイミド(16.6g, 35.5 mmol)とヒドラジン水和物(10.2 mL, 328 mmol)をエタノール(400 mL)に溶かし、65℃で4時間加熱撹拌する。生じた固体を濾別し、トルエンで洗浄したのち濾液を濃縮するとジアミンが得られる(収率 85%)。[2]

実験のコツ・テクニック

 

参考文献

[1] Inoue, Y.; Taguchi, M.; Hashimoto, H. Synthesis 1986, 332.

[2] Hartner, F. W.; Hsiao, Y.; Palucki, M. J. Org. Chem. 2004, 69, 8723. DOI: 10.1021/jo0486950

 

関連反応

 

関連書籍

 

外部リンク

関連記事

  1. ゲヴァルト チオフェン合成 Gewald Thiophene S…
  2. ピナー反応 Pinner Reaction
  3. マルコフニコフ則 Markovnikov’s Rul…
  4. マルコ・ラム脱酸素化 Marko-Lam Deoxygenati…
  5. カルボニル-エン反応(プリンス反応) Carbonyl-Ene …
  6. バートン・ケロッグ反応 Barton-Kellogg React…
  7. プレヴォスト/ウッドワード ジヒドロキシル化反応 Prevost…
  8. ヒンスバーグ チオフェン合成 Hinsberg Thiophen…

注目情報

ピックアップ記事

  1. ジュリア・リスゴー オレフィン合成 Julia-Lythgoe Olefination
  2. SHIPS uniform worksとのコラボ!話題の白衣「WHITECOAT」を試してみた
  3. 銀ジャケを狂わせた材料 ~タイヤからの意外な犯人~
  4. Dead Endを回避せよ!「全合成・極限からの一手」⑥
  5. 複雑なモノマー配列を持ったポリエステル系ブロックポリマーをワンステップで合成
  6. 「炭素-炭素結合を切って組み替える合成」テキサス大学オースティン校・Dong研より
  7. E-mail Alertを活用しよう!
  8. 布施 新一郎 Shinichiro Fuse
  9. 【追悼企画】化学と生物で活躍できる化学者ーCarlos Barbas教授
  10. チロシン選択的タンパク質修飾反応 Tyr-Selective Protein Modification

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2009年6月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

注目情報

最新記事

植物由来アルカロイドライブラリーから新たな不斉有機触媒の発見

第632回のスポットライトリサーチは、千葉大学大学院医学薬学府(中分子化学研究室)博士課程後期3年の…

MEDCHEM NEWS 33-4 号「創薬人育成事業の活動報告」

日本薬学会 医薬化学部会の部会誌 MEDCHEM NEWS より、新たにオープン…

第49回ケムステVシンポ「触媒との掛け算で拡張・多様化する化学」を開催します!

第49回ケムステVシンポの会告を致します。2年前(32回)・昨年(41回)に引き続き、今年も…

【日産化学】新卒採用情報(2026卒)

―研究で未来を創る。こんな世界にしたいと理想の姿を描き、実現のために必要なものをうみだす。…

硫黄と別れてもリンカーが束縛する!曲がったπ共役分子の構築

紫外光による脱硫反応を利用することで、本来は平面であるはずのペリレンビスイミド骨格を歪ませることに成…

有機合成化学協会誌2024年11月号:英文特集号

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2024年11月号がオンライン公開されています。…

小型でも妥協なし!幅広い化合物をサチレーションフリーのELSDで検出

UV吸収のない化合物を精製する際、一定量でフラクションをすべて収集し、TLCで呈色試…

第48回ケムステVシンポ「ペプチド創薬のフロントランナーズ」を開催します!

いよいよ本年もあと僅かとなって参りましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。冬…

3つのラジカルを自由自在!アルケンのアリール–アルキル化反応

アルケンの位置選択的なアリール–アルキル化反応が報告された。ラジカルソーティングを用いた三種類のラジ…

【日産化学 26卒/Zoomウェビナー配信!】START your ChemiSTORY あなたの化学をさがす 研究職限定 キャリアマッチングLIVE

3日間で10領域の研究職社員がプレゼンテーション!日産化学の全研究領域を公開する、研…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP