ゲラニオールはイソプレン単位が二つの直鎖状モノテルペンの一種です。ヒドロキシ基が一つあるのでアルコールに分類されますが水にはほとんど溶解しません。二重結合の幾何異性によってE体をゲラニオールと呼ぶのに対してZ体はネロールと別名称で呼ばれています。
天然からはイネ科植物のパルマローザから得られる精油に95%の高含有率で含まれています。しかし価格の問題から主に同じくイネ科植物のシトロネラの精油成分(30-40%)を精製して得ています。
バラ様の華やかな香りとして香水、日用品、食品など様々な製品の香料として国内で年間約200トンが使用されていますが、近年では主に輸入に頼っているようです。
ゲラニオールのアルコール部位を酸化してできるアルデヒドはシトラールと呼ばれ、ビタミンAの工業的合成原料として欠かせないものとなっています。
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