ストリゴラクトン(strigolactone, SL)は植物の産生する一群のカロテノイド誘導体である。
1960年代に根寄生植物種子の発芽刺激物質として単離された。その後、2000年代に入り菌根菌の宿主認識応答である菌糸分岐を誘導することが判明し、さらに植物地上部の枝分かれを抑制する植物ホルモンとしての機能も発見された。
- 機能
ストリゴラクトン(strigolactone, SL)には、主に3つの機能がある。
一つは寄生雑草の発芽刺激物質として、もう一つは菌根菌の宿主認識応答を誘導する共生シグナル物質として、最後に植物の分げつを抑制する植物ホルモンとしての機能である。
- 構造
三環性のラクトン(ABC環)部分に、エノールエーテルを介して五員環ラクトンで(D環)が結合した特徴的な構造を持つ。
また、A環部分をベンゼン環にしたGR24をはじめとして多くのアナログが合成されている。
- 関連文献
Akiyama, K, Matsuzaki, K and Hayashi, H Nature 435, 824-827
Umehara, M, Hanada, A, Yoshida, S, Akiyama, K, Arite, T, Takeda-Kamiya, N, Magome, H, Kamiya, Y, Shirasu, K, Yoneyama, K, Kyozuka, J and Yamaguch, S Nature 455, 195-200
Xie, X, Yoneyama, K and Yoneyama, K Annu Rev Phytopathol 48, 93-117