コルチスタチン(Cortistatin)類は、インドネシア産海綿 Corticium simplex から単離された、ステロイド骨格を有するアルカロイドの一種。
- 歴史・用途
2006年に単離[1]。各種類縁体が知られているが、その中でもコルチスタチンAは、ヒト臍帯静脈血管内皮細胞 (HUVECs) の成長を、非常に強力かつ高選択的に阻害することが知られている。すなわち血管新生阻害作用による、新しいメカニズムの抗ガン剤リードとして多大な注目を集めている。
- 合成法
その特徴的構造、および大変に興味深い生物活性から、世界中の研究室にて合成競争が行われているホットな化合物の一つ[2]。
Baranらによる半合成ルート[3]のキープロセスを一例として以下に示す。
- 関連文献
[2] review: Nising, G. F.; Brase, S. Angew. Chem. Int. Ed. 2008, 47, 9389. DOI: 10.1002/anie.200803720
[3] Shenvi, R. A.; Guerrero, C. A.; Shi, J.; Li, C.-C.; Baran, P. S. J. Am. Chem. Soc. 2008, 130, 7241 doi: 10.1021/ja8023466
- 関連書籍
- 関連リンク
Nature Chemistry: Research Highlight ― ラジカルで救われる
Cortistatin A (TotallySynthetic.com)