[スポンサーリンク]

日用品

ポリ乳酸 Polylactic Acid

[スポンサーリンク]

略称PLA。乳酸がエステル結合した高分子で、農作物を原料として合成されるバイオプラスチックの1つである。ポリスチレン(PS)やポリエチレンテレフタラート(PET)に似た特性をもつ生分解性ポリマーとして注目されていたが、近年は3Dプリンター用の樹脂として用いられている。

不斉炭素をもつためL体(上図)がとD体存在する。L体のみを重合したポリ-L-乳酸とD体のみのポリ-D-乳酸を混合したステレオコンプレックス型ポリ乳酸は、単組成よりも融点が上昇するなど特徴的な性質をもつ。

製造法

ポリ乳酸の製造工程は糖化、発酵、精製、重合の4工程に分けられる。サトウキビやトウモロコシなどの原料からでん粉を取り出して糖化することによりグルコースにし、発酵により乳酸を得て、固形物の除去やエステル化による蒸留などにより精製を行う。重合ではまず、乳酸を脱水縮合させてオリゴマーを作る。これを解重合させ環状二量体であるラクチド(下図はL体)を作り、最終的に開環重合し、ポリ乳酸が得られる。
lactide

 

PLA (http://selfeco.com/pages/polylactic-acid-pla)

PLA (出典:http://selfeco.com/pages/polylactic-acid-pla)

 

参考

関連記事

関連書籍

[amazonjs asin=”4526061220″ locale=”JP” title=”バイオプラスチック材料のすべて”]

 

Avatar photo

GEN

投稿者の記事一覧

大学JK->国研研究者。材料作ったり卓上CNCミリングマシンで器具作ったり装置カスタマイズしたり共働ロボットで遊んだりしています。ピース写真付インタビューが化学の高校教科書に掲載されました。

関連記事

  1. アスピリン あすぴりん aspirin 
  2. スピノシン spinosyn
  3. アスタキサンチン (astaxanthin)
  4. アスパラプチン Asparaptine
  5. ムスカリン muscarine
  6. 化学者のためのエレクトロニクス講座~次世代の通信技術編~
  7. カンプトテシン /camptothecin
  8. ディスコデルモライド /Discodermolide

注目情報

ピックアップ記事

  1. 正岡 重行 Masaoka Shigeyuki
  2. 研究室でDIY!~割れないマニホールドをつくろう~
  3. 肺がん治療薬イレッサ「使用制限の必要なし」 厚労省検討会
  4. ボロン酸触媒によるアミド形成 Amide Formation Catalyzed by Boronic Acids
  5. 【ケムステSlackに訊いてみた③】化学で美しいと思うことを教えて!
  6. スルホニル保護基 Sulfonyl Protective Group
  7. 抗体触媒 / Catalytic Antibody
  8. アセトアルデヒドが香料に 食品添加物として指定了承
  9. 「水素水」健康効果うたう表示は問題 国民生活センターが業者に改善求める
  10. 単純なアリルアミンから複雑なアリルアミンをつくる

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2016年1月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

注目情報

最新記事

野々山 貴行 Takayuki NONOYAMA

野々山 貴行 (NONOYAMA Takayuki)は、高分子材料科学、ゲル、ソフトマテリアル、ソフ…

城﨑 由紀 Yuki SHIROSAKI

城﨑 由紀(Yuki SHIROSAKI)は、生体無機材料を専門とする日本の化学者である。2025年…

中村 真紀 Maki NAKAMURA

中村真紀(Maki NAKAMURA 産業技術総合研究所)は、日本の化学者である。産業技術総合研究所…

フッ素が実現する高効率なレアメタルフリー水電解酸素生成触媒

第638回のスポットライトリサーチは、東京工業大学(現 東京科学大学) 理学院化学系 (前田研究室)…

【四国化成ホールディングス】新卒採用情報(2026卒)

◆求める人財像:『使命感にあふれ、自ら考え挑戦する人財』私たちが社員に求めるのは、「独創力」…

マイクロ波に少しでもご興味のある方へ まるっとマイクロ波セミナー 〜マイクロ波技術の基本からできることまで〜

プロセスの脱炭素化及び効率化のキーテクノロジーとして注目されている、電子レンジでおなじみの”マイクロ…

世界の技術進歩を支える四国化成の「独創力」

「独創力」を体現する四国化成の研究開発四国化成の開発部隊は、長年蓄積してきた有機…

四国化成ってどんな会社?

私たち四国化成ホールディングス株式会社は、企業理念「独創力」を掲げ、「有機合成技術」…

アザボリンはニ度異性化するっ!

1,2-アザボリンの光異性化により、ホウ素・窒素原子を含むベンズバレンの合成が達成された。本異性化は…

マティアス・クリストマン Mathias Christmann

マティアス・クリストマン(Mathias Christmann, 1972年10…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー