ジンクピリチオンは、ピリチオン2分子で、亜鉛イオン1つがはさまれた構造をしており、抗菌作用を目的に、シャンプーに含まれていた成分[1]。生体内における作用標的は、はっきりとは分かっていません[2],[3]。
花王メリットシャンプーのCMメッセージ「ジンクピリチオン配合」が話題になったことにちなんで、意味もよく分かっていないにも関わらず聴き手を誤魔化して、言葉の衝撃力が与える影響を、「ジンクピリチオン効果」と呼びます。作家の清水義範氏によって造られた言葉です。なお2006年の成分変更以降、花王から販売されているシャンプーにジンクピリチオンは含まれていません。ジンクピリチオンは、2013年現在、例えばP&G社の一部の製品に、含まれています。
参考論文
[1] “The effects of a shampoo containing zinc pyrithione on the control of dandruff.” Marks R et al.
Brit. J. Dermatol. 1985 DOI:
10.1111/j.1365-2133.1985.tb02314.x
[2] “Zinc pyrithione-mediated activation of voltage-gated KCNQ potassium channels rescues epileptogenic mutants.” Xiong Q et al.
Nature Chemical Biology 2007 DOI:
10.1038/nchembio874
[3] “DNA microarray analysis suggests that zinc pyrithione causes iron starvation to the yeast Saccharomyces cerevisiae.” Daisuke Yasokawa et al.
J. Biosci. Bioeng. 2010 DOI:
10.1016/j.jbiosc.2009.10.025