キセノンは、単原子分子として存在する常温気体。希ガスであるものの、フッ素と反応するなどして化合物を作ります。
キセノンの麻酔作用
キセノンには、高価なためあまり使われないものの、麻酔作用があります[1]。キセノンが持つ麻酔作用の標的タンパク質には諸説あり、神経伝達物質の受容体のどれかだと考えられているものの、はっきりしません。マウス海馬を用いた実験ではNMDA型グルタミン酸受容体が有力視[2]されており、キセノンとタンパク質の相互作用も分子動力学の手法でシミュレーション[3]されています。
参考文献
[1] “The anesthetic properties of xenon in animals and human beings, with additional observations on krypton.” Cullen SC et al.
Science 1951 DOI:
10.1126/science.113.2942.580
[2] “How does xenon produce anaesthesia? ” Franks NP et al.
Nature 1998 DOI:
10.1038/24525
[3] “Mechanistic Insights into Xenon Inhibition of NMDA Receptors from MD Simulations.” Liu LT et al.
J. Phys. Chem. B 2010 DOI:
10.1021/jp101687j