ヘキサンは、炭素数6で直鎖状のアルカン。融点マイナス95度・沸点プラス70度。
詳細
ヘキサン(hexane)は、無色透明の常温液体で、有機溶媒に使われます。水にはほとんど溶けません。他の炭素数のアルカンとともに、灯油やガソリンに含まれ、特有の匂いがあります。
ヘキサンは体内で代謝されて、2,5-ヘキサジオン(2,5-hexadione)になります。このヘキサジノンは、パール・クノールピロール環化反応(Paal-Knorr pyrrole cyclization)と同じ原理により、タンパク質リジン残基などのアミノ基と反応し、ピロール構造を作ります。アルカンのうちヘキサンにだけとりわけ、ピリピリとしたしびれを感じるようになるなど慢性毒性がある原因は、このためだと考えられています[1]。
ヘキサンの毒理機構
分子モデル
参考文献
- “Covalent binding of a neurotoxic n-hexane metabolite: Conversion of primary amines to substituted pyrrole adducts by 2,5-hexanedione.” DeCaprio AP et al. Toxicol. Appl. Pharmacol. 1982 DOI: 10.1016/0041-008X(82)90389-1