[スポンサーリンク]

日用品

酒石酸/Tartaric acid

[スポンサーリンク]

 酒石酸は自然界に広く存在し、特に葡萄に多く含まれ、やや苦みを感じますが、切れ味の良い酸味が特徴の果実酸(フルーツ酸)です。医薬品、化粧品、食品に酒石酸や酒石酸塩が含まれています。

 食品添加物として酒石酸の塩類に、酒石酸ナトリウム、酒石酸水素カリウムがあり、パンや菓子のベーキングパウダー等として使用されているのが、酒石酸水素カリウムです。清涼飲料、果汁、キャンデー、ゼリー、ジャムの酸味料等として使用されています。

 また、化粧品においては、収れん作用や、皮膚の弱酸性を保つ働き、製品のpHの調整をする役目を果たしています。さらに、ケミカルピーリング溶剤の中に、他のフルーツ酸(クエン酸、リンゴ酸など)とあわせて入れることで、皮膚の古い角質の除去に用いられます。さらに、加齢や日焼け等が原因で衰えた新陳代謝を高めます。

 酒石酸は二つの不斉炭素を持つため、L-(+)-酒石酸、D-(-)-酒石酸、メソ酒石酸の三種類の異性体が存在します。天然に比較的多く存在するのはL体です。合成化学の分野でも酒石酸は頻繁に使用され、安価に入手可能なL-酒石酸あるいは酒石酸誘導体を出発物質とした全合成や、不斉反応の開発が行われています。

関連商品

[amazonjs asin=”B004HIMCF2″ locale=”JP” title=”L-酒石酸(食添) 50g”][amazonjs asin=”B004ABUM30″ locale=”JP” title=”クリームオブターター 20g×10個”][amazonjs asin=”B007138KAQ” locale=”JP” title=”L-酒石酸水素カリウム500g 「ケレモル」”]

関連リンク

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. ボルテゾミブ (bortezomib)
  2. ユーコミン酸 (eucomic acid)
  3. 二フッ化酸素 (oxygen difluoride)
  4. イレッサ /iressa (gefitinib)
  5. オーラノフィン (auranofin)
  6. フラーレン /Fullerene
  7. ボツリヌストキシン (botulinum toxin)
  8. 亜酸化窒素 Nitrous oxide

注目情報

ピックアップ記事

  1. 第170回―「化学のジョブマーケットをブログで綴る」Chemjobber
  2. 究極のエネルギーキャリアきたる?!
  3. 堂々たる夢 世界に日本人を認めさせた化学者・高峰譲吉の生涯
  4. ITO 酸化インジウム・スズ
  5. MOF の実用化のはなし【京大発のスタートアップ Atomis を訪問して】
  6. アルツハイマー薬で副作用死
  7. 正宗・バーグマン反応 Masamune-Bergman Reaction
  8. アンソニー・スペック Anthony L. Spek
  9. 化学五輪で日本の高校生2人が金メダル
  10. リチウムイオン電池の正極・負極≪活物質技術≫徹底解説セミナー

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2009年8月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31  

注目情報

最新記事

植物繊維を叩いてアンモニアをつくろう ~メカノケミカル窒素固定新合成法~

Tshozoです。今回また興味深い、農業や資源問題の解決の突破口になり得る窒素固定方法がNatu…

自己実現を模索した50代のキャリア選択。「やりたいこと」が年収を上回った瞬間

50歳前後は、会社員にとってキャリアの大きな節目となります。定年までの道筋を見据えて、現職に留まるべ…

イグノーベル賞2024振り返り

ノーベル賞も発表されており、イグノーベル賞の紹介は今更かもしれませんが紹介記事を作成しました。 …

亜鉛–ヒドリド種を持つ金属–有機構造体による高温での二酸化炭素回収

亜鉛–ヒドリド部位を持つ金属–有機構造体 (metal–organic frameworks; MO…

求人は増えているのになぜ?「転職先が決まらない人」に共通する行動パターンとは?

転職市場が活発に動いている中でも、なかなか転職先が決まらない人がいるのはなぜでしょう…

三脚型トリプチセン超分子足場を用いて一重項分裂を促進する配置へとペンタセンクロモフォアを集合化させることに成功

第634回のスポットライトリサーチは、 東京科学大学 物質理工学院(福島研究室)博士課程後期3年の福…

2024年の化学企業グローバル・トップ50

グローバル・トップ50をケムステニュースで取り上げるのは定番になっておりましたが、今年は忙しくて発表…

早稲田大学各務記念材料技術研究所「材研オープンセミナー」

早稲田大学各務記念材料技術研究所(以下材研)では、12月13日(金)に材研オープンセミナーを実施しま…

カーボンナノベルトを結晶溶媒で一直線に整列! – 超分子2層カーボンナノチューブの新しいボトムアップ合成へ –

第633回のスポットライトリサーチは、名古屋大学理学研究科有機化学グループで行われた成果で、井本 大…

第67回「1分子レベルの酵素活性を網羅的に解析し,疾患と関わる異常を見つける」小松徹 准教授

第67回目の研究者インタビューです! 今回は第49回ケムステVシンポ「触媒との掛け算で拡張・多様化す…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP