サラシノールとは?
サラシノールは、インドやスリランカなど南アジア地域に自生するツル性の植物であるサラシアより単離、構造決定された化合物です。サラシアの根部や幹は、インドに古くから伝わる伝承医学であるアーユルヴェーダの有用植物として特に糖尿病の治療に有効であると伝承されてきました。これはサラシノール等が糖の分解を阻害し、小腸で糖の吸収を抑制するためです。古くからカロリーの高い贅沢な食事をしていた人たちは、健康維持のため食事の際にサラシアを煎じて飲んでいたと言われています。
サラシノールはダイエット食品成分として活躍
さて、以前からサラシア茶などの健康食品が販売されていましたが、最近富士フィルム株式会社から、主成分にサラシア抽出物を用いたダイエット食品、
メタバリアが発売されました。そのため、サラシノールは一般の人も聞いたことがある化合物ではないでしょうか。
ところで、カメラ会社がサプリメントを販売したことに、驚かれた方も多いのではないかと思います。しかし、富士フィルムはこれまでフィルムの研究により、化粧品分野で有効活用できる技術を持っていたのです!!例えば、カラー写真プリントの色褪せを防ぐ抗酸化技術は、アンチエンジングにつながります。さらに写真フィルムの主原料であるゼラチンは、コラーゲンから抽出した化合物であり、コラーゲンを扱う技術も持ち合わせていました。さらにはナノテクノロジーなど、化粧品分野で有効活用できる技術を既に複合していました。その応用展開によって、他社と差別化したユニークな商品を開発・販売しています。フィルムと化粧品の開発技術は、無関係に思われますが、化学の目で見ると同じ分野の研究であり、深い関わりがあったのですね。
全合成
サラシノールは、優れた生理活性に加え、興味深い構造を有しており、合成化学者により全合成が達成されています。
A New Class of Glycosidase Inhibitor: Synthesis of Salacinol and Its Stereoisomers
Ghavami, A.; Johnston, B. D.; Pinto, B. M. J. Org. Chem.
2001,
66, 2312. DOI:
10.1021/jo001444g
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外部リンク