- 用途・歴史
EGFR(上皮成長因子受容体) の働きを止めることで、ガン細胞の増殖を抑えます。
分子標的薬であるイレッサは、その優れた開発コンセプトゆえ、副作用の少ない”夢の薬”というふれこみで大きな期待を集めてきました。しかしフタを開けてみれば少ないどころか、致死を含め数多くの重篤な副作用が報告される結果となってしまいました。その一方で、手遅れである状態から完全に癌が消えた例もあり、抗ガン剤としての威力は折り紙付きのようです。これほど効く薬をどうか販売中止になどしないでくれ、と嘆願した患者・家族もいた、という話も耳にしたことがあります。
複雑巧妙な人間の身体を、一つの単純なコンセプトをもって理解した気になることは、科学者の傲慢そのもの、と言って良いかも知れません。とはいえ副作用をなくす取り組みも科学の力をもってしか為しえないことです。この事件を教訓とし、被害にあわれる人が一人でも少なくなるための、多くの研究を望みます。
分子標的薬はこのイレッサの他にも、モノクローナル抗体であるアバスチン、最近では米国で承認申請されたSU11248などが知られています。
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