プラテンシマイシン(platensimycin)は放線菌の一種Streptomyces platensisより単離された抗生物質です。
歴史・用途
2006年メルク社のグループが250,000個以上の天然物をスクリーニングすることによって発見[1]した、2007年10月時点で最も新しい抗生物質の一つです。
細菌の脂肪酸合成経路を阻害(β-ケトアシル-ACP(acyl-carrier-protein)シンターゼI/II(FabF/B)を阻害)することで抗生作用を示します。この作用機序は既存のものとは全く異なり、耐性菌が非常に出現しにくい、と考えられています。
メチシリン耐性ブドウ球菌(MRSA)や、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)にも効果があるとされています。
関連文献
- (a) Wang, J. et al. Nature 2006, 441, 358. DOI:10.1038/nature04784 (b) Habich, D.; von Nussbaum, F. ChemMedChem 2006, 1, 951.
関連書籍
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外部リンク
- テトラサイクリン類の全合成 (有機って面白いよね!!)
- 抗生物質の話(有機って面白いよね!!)
- 抗生物質の危機 (1) (2) (有機化学美術館)
- 次代の切り札?プラテンシマイシン (有機化学美術館)
- New Antibiotic Eliminates Superbugs (Scientific American)
- 抗生物質で期待のニューフェース グラム陽性菌に強力な活性 (おくすり千一夜)