アルファリポ酸 (α-lipoic acid)は、抗酸化作用を持つサプリメントの一種。
- 歴史・用途
アンチエイジング(老化防止)・ダイエット(脂肪燃焼)に効果があるとの触れ込みで、テレビで取り上げられることも多いサプリメントの一つです。名称は英語表記の通り、α-リボ酸ではなくリポ酸です。こんなものでやせたら世の中にデブなどいないと思うのですが、少なくとも抗酸化作用をもつ化合物であるのは確かです。大豆・レバーなどの食品にも含まれています。
α-リポ酸はどうやら天然(生物)からはあんまり取れないようです(牛の肝臓10トンから30mgとありました)。おそらく現在出回っているα-リボ酸は化学合成で供給されているのでしょう。見ての通り不斉中心が一つの光学活性体(R体)なので、合成するには不斉合成もしくはラセミ体をつくって光学分割しなければなりません。化合物がカルボン酸なので酵素分割に頼っているとは思いますが、Scifinderで検索して出てきた一番最近の不斉合成例[1]を挙げてみます。
クライゼン転位とシャープレス不斉ジヒドロキシル化により1の光学活性ラクトンを合成し、3段階で2のジオールとした後、メシル化、脱メシル化、エステル加水分解によりα-リポ酸を不斉合成しています(うーんあまり巧くない)。
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関連文献
[1] Tetrahedron Lett. 2004, 45, 6027.
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関連リンク
アルファリポ酸は中年太りの救世主? αリポ酸にダマされるな!(AllAbout)
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関連書籍