[スポンサーリンク]

身のまわりの分子

クルクミン /curcumin

[スポンサーリンク]

クルクミン(curcumin)は、ウコン(ターメリック Curcuma longa)に含まれるポリフェノール色素である。

歴史・用途

カレーの黄色はクルクミンに由来します。抗酸化作用、抗菌作用を有し、1988年からは、米国国立癌研究所にて抗がん剤としての研究開発も行われています。近年ではアルツハイマーに効果があるという報告がなされ、各方面から注目を集めている化合物の一つです。一方で、2017年クルクミンの効能に関しては疑問がもたれており、明確な治療効果があるという証拠はないという報告がなされました[1]。

ウコン自体は漢方用途で日常的に用いられて来たものですが、近年では健康食品として注目度が高まり、「ウコンの力」などをはじめとしたウコン含有サプリメントが沢山市販されています。 たとえば二日酔い止めとしての効能は、ウコン摂取が胆汁の分泌を活発にし、肝臓全体の良好な働きを維持させることに起因すると考えられています。

関連文献

  1. Nelson, K. M.; Dahlin, J. L.; Bisson, J.; Graham, J.; Pauli, G. F.; Walters, M. A. J. Med. Chem. 2017, 60, 1620. DOI: 10.1021/acs.jmedchem.6b00975

関連書籍

[amazonjs asin=”B008S6QE1W” locale=”JP” title=”DHC 濃縮ウコン 60日分 120粒”]

関連リンク

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. ヒストリオニコトキシン histrionicotoxin
  2. ロピニロールのメディシナルケミストリー -iPS創薬でALS治療…
  3. カルタミン
  4. スピノシン Spinosyn
  5. デルフチバクチン (delftibactin)
  6. 化学者のためのエレクトロニクス講座~無電解卑金属めっきの各論編~…
  7. ジフェニルオクタテトラエン (1,8-diphenyl-1,3,…
  8. フッ素ドープ酸化スズ (FTO)

注目情報

ピックアップ記事

  1. カリウム Potassium 細胞内に多量に含まれる元素
  2. モルヒネ morphine
  3. 抗酸化能セミナー 主催:同仁化学研究所
  4. 引っ張ると頑丈になる高分子ゲル:可逆な伸長誘起結晶化による強靭性と復元性の両立
  5. バイオ触媒によるトリフルオロメチルシクロプロパンの不斉合成
  6. NEC、デスクトップパソコンのデータバックアップが可能な有機ラジカル電池を開発
  7. アイルランドに行ってきた②
  8. 蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)のドナーとして利用される蛍光色素
  9. オキシム/ヒドラゾンライゲーション Oxime/Hydrazone Ligation
  10. 元素周期 萌えて覚える化学の基本

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2007年10月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

注目情報

最新記事

第23回次世代を担う有機化学シンポジウム

「若手研究者が口頭発表する機会や自由闊達にディスカッションする場を増やし、若手の研究活動をエンカレッ…

ペロブスカイト太陽電池開発におけるマテリアルズ・インフォマティクスの活用

持続可能な社会の実現に向けて、太陽電池は太陽光発電における中心的な要素として注目…

有機合成化学協会誌2025年3月号:チェーンウォーキング・カルコゲン結合・有機電解反応・ロタキサン・配位重合

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2025年3月号がオンラインで公開されています!…

CIPイノベーション共創プログラム「未来の医療を支えるバイオベンチャーの新たな戦略」

日本化学会第105春季年会(2025)で開催されるシンポジウムの一つに、CIPセッション「未来の医療…

OIST Science Challenge 2025 に参加しました

2025年3月15日から22日にかけて沖縄科学技術大学院大学 (OIST) にて開催された Scie…

ペーパークラフトで MOFをつくる

第650回のスポットライトリサーチには、化学コミュニケーション賞2024を受賞された、岡山理科大学 …

月岡温泉で硫黄泉の pH の影響について考えてみた 【化学者が行く温泉巡りの旅】

臭い温泉に入りたい! というわけで、硫黄系温泉を巡る旅の後編です。前回の記事では群馬県草津温泉をご紹…

二酸化マンガンの極小ナノサイズ化で次世代電池や触媒の性能を底上げ!

第649回のスポットライトリサーチは、東北大学大学院環境科学研究科(本間研究室)博士課程後期2年の飯…

日本薬学会第145年会 に参加しよう!

3月27日~29日、福岡国際会議場にて 「日本薬学会第145年会」 が開催されま…

TLC分析がもっと楽に、正確に! ~TLC分析がアナログからデジタルに

薄層クロマトグラフィーは分離手法の一つとして、お金をかけず、安価な方法として現在…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー