[スポンサーリンク]

海外化学者インタビュー

第65回―「タンパク質代替機能を発揮する小分子の合成」Marty Burke教授

[スポンサーリンク]

第65回の海外化学者インタビューは、マーティン・バーク教授です。イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校化学科に所属し、高次のタンパク質様機能を果たしうる小分子の合成と研究に焦点を当てています。それではインタビューをどうぞ。

Q. あなたが化学者になった理由は?

最初は単純に、大学1年生時のティーチング・アシスタントだった、クリスティーナ・ホワイトへ自分を印象づけようとしていただけでした。後に、人間の健康についての理解と改善を促す、有機合成の途方もない力に気付き、夢中になりました。

Q. もし化学者でなかったら、何になりたいですか?またその理由は?

子供の頃はメジャーリーグの選手になることを夢見ていましたが、才能(むしろその欠如)が笑える形でダメにしてしまうものです。

Q. 概して化学者はどのように世界に貢献する事ができますか?

分子の作り方を学べば、あなたたちはとてもパワフルな人間になれる、といつも学生たちには言っています。最終的には分子レベルでの挑戦となる、あらゆる重要な問題について考えをめぐらせると、本当にくらくらします。最も影響を与えうる化学者とは、重要な分子レベルの問題を特定し、それを解決する人たちだと思います。興味深いことですが、問題発見こそが、このプロセスの最重要な部分かもしれません。

Q.あなたがもし歴史上の人物と夕食を共にすることができたら誰と?またその理由は?

一人だけ選ぶのは難しいです。もし選択を迫られたら、アイザック・ニュートン卿と言わねばならないでしょう。良い問題を選べた人だからですね。

Q. あなたが最後に研究室で実験を行ったのはいつですか?また、その内容は?

今でもできる限りは研究室で働こうとしていますが、最近は学生のために原料を作るだけになっています。こうすることで、学生の発見プロセスを妨げることなく、関わり続ける機会が持てます。自分のグループの立ち上げ準備をしていたときにスコット・ミラーからもらった、とても役立つ多数のアドバイスの一つでした。

Q.もしあなたが砂漠の島に取り残されたら、どんな本や音楽が必要ですか?1つだけ答えてください。

お気に入りの本は『百年の孤独』です。

もしCDを一枚しか持って行けないならば、おそらく『ガーデンステート』のサウンドトラックを聴くでしょう。しかし正直なところ、もし無人島に追放されたら、帰還するためにほとんどの時間を費やすでしょう!

[amazonjs asin=”4105090119″ locale=”JP” title=”百年の孤独 (Obra de Garc´ia M´arquez)”][amazonjs asin=”B07BHZ7TMT” locale=”JP” title=”Garden State (Sony Gold Series) (Original Soundtrack)”]

原文:Reactions – Marty Burke

※このインタビューは2008年5月23日に公開されました。

関連動画

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. 第八回 自己集合ペプチドシステム開発 -Shuguang Zha…
  2. 第125回―「非線形光伝播の基礎特性と応用」Kalai Sara…
  3. 第164回―「光・熱エネルギーを変換するスマート材料の開発」Pa…
  4. 第109回―「サステイナブルな高分子材料の創製」Andrew D…
  5. 第132回―「遷移金属触媒における超分子的アプローチ」Joost…
  6. 第142回―「『理想の有機合成』を目指した反応開発と合成研究」山…
  7. 第56回「複合ナノ材料の新機能を時間分解分光で拓く」小林洋一 准…
  8. 第100回―「超分子包接による化学センシング」Yun-Bao J…

注目情報

ピックアップ記事

  1. 砂糖から透明樹脂、大阪府立大などが開発に成功
  2. ブラン環化 Blanc Cyclization
  3. シアノスター Cyanostar
  4. Sulfane sulfur が生み出す超硫黄分子
  5. “秒”で分析 をあたりまえに―利便性が高まるSFC
  6. 「引っ張って」光学分割
  7. 高分子材料におけるマテリアルズ・インフォマティクスの活用とは?
  8. GRE Chemistry 受験報告 –試験対策編–
  9. ポンコツ博士の海外奮闘録④ ~博士,ろ過マトる~
  10. ファイザーがワイスを買収

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2020年3月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

注目情報

最新記事

ヘム鉄を配位するシステイン残基を持たないシトクロムP450!?中には21番目のアミノ酸として知られるセレノシステインへと変異されているP450も発見!

こんにちは,熊葛です.今回は,一般的なP450で保存されているヘム鉄を配位するシステイン残基に,異な…

有機化学とタンパク質工学の知恵を駆使して、カリウムイオンが細胞内で赤く煌めくようにする

第 641 回のスポットライトリサーチは、東京大学大学院理学系研究科化学専攻 生…

CO2 の排出はどのように削減できるか?【その1: CO2 の排出源について】

大気中の二酸化炭素を減らす取り組みとして、二酸化炭素回収·貯留 (CCS; Carbon dioxi…

モータータンパク質に匹敵する性能の人工分子モーターをつくる

第640回のスポットライトリサーチは、分子科学研究所・総合研究大学院大学(飯野グループ)原島崇徳さん…

マーフィー試薬 Marfey reagent

概要Marfey試薬(1-フルオロ-2,4-ジニトロフェニル-5-L-アラニンアミド、略称:FD…

UC Berkeley と Baker Hughes が提携して脱炭素材料研究所を設立

ポイント 今回新たに設立される研究所 Baker Hughes Institute for…

メトキシ基で転位をコントロール!Niduterpenoid Bの全合成

ナザロフ環化に続く二度の環拡大というカスケード反応により、多環式複雑天然物niduterpenoid…

金属酸化物ナノ粒子触媒の「水の酸化反応に対する駆動力」の実験的観測

第639回のスポットライトリサーチは、東京科学大学理学院化学系(前田研究室)の岡崎 めぐみ 助教にお…

【無料ウェビナー】粒子分散の最前線~評価法から処理技術まで徹底解説~(三洋貿易株式会社)

1.ウェビナー概要2025年2月26日から28日までの3日間にわたり開催される三…

第18回日本化学連合シンポジウム「社会実装を実現する化学人材創出における新たな視点」

日本化学連合ではシンポジウムを毎年2回開催しています。そのうち2025年3月4日開催のシンポジウムで…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー