[スポンサーリンク]

海外化学者インタビュー

第55回―「イオン性液体と化学反応」Tom Welton教授

[スポンサーリンク]

第55回の海外化学者インタビューは、トム・ウェルトン教授です。インペリアル・カレッジ・ロンドンの化学科に所属し、特に室温下のイオン液体中、溶媒-溶質相互作用が化学反応性に及ぼす影響について研究しています。それではインタビューをどうぞ。

Q. あなたが化学者になった理由は?

私はAレベルの化学だけを学んだのですが、それが3つの合理的なセットを完成させたからです。そして、私たちが最初に学んだのは原子構造でした。今まで耳にした中で一番面白いと思ったのを覚えています。それ以来、夢中になりました。

Q. もし化学者でなかったら、何になりたいですか?またその理由は?

ずっと航空技師になると思っていました。いつでも飛行機が大好きだったのです。

Q. 概して化学者はどのように世界に貢献する事ができますか?

化学工業製品や世界がどのように機能しているかを理解するという点での明白な貢献は別として、ほとんどの化学者は十分な根拠を持っており、証拠に基づいて研究を進めることを好む実学的な人々であると考えています。こういった特性は、今日の世界では驚くほど珍しいようです。こういったことを公にしていくことは本当に重要です。

Q.あなたがもし歴史上の人物と夕食を共にすることができたら誰と?またその理由は?

これは一番答えにくい質問です。世界に多大な影響を与えた人、絶世の美貌を持つ人、有名な魅力を持つ人、コメディアンなどを選べばいいのでしょうか?わかりません。

Q. あなたが最後に研究室で実験を行ったのはいつですか?また、その内容は?

完了した実験という意味であれば、あまりにも古くて思い出せません。ある日、最も経験豊かな2人の博士課程学生がオフィスに来て、グループを代表して話をしに来た時のことをとてもはっきり覚えています。実験をしようと私が研究室に入るたびに、物事を中途半端に放置しているというのです。私が散らかしたものをどうしていいのか彼らは分からないので、それが仕事の進みを遅らせていると言いました。それで、実験することを止めました。

Q.もしあなたが砂漠の島に取り残されたら、どんな本や音楽が必要ですか?1つだけ答えてください。

CDは簡単で、Round the Horneの全集でしょう。本はいつも「マハーバーラタ」を好んで読んでいます。少なくとも、良質で長いです。

[amazonjs asin=”4562056495″ locale=”JP” title=”インド神話物語 マハーバーラタ 上”]

原文:Reactions – Tom Welton

※このインタビューは2008年3月14日に公開されました。

Avatar photo

cosine

投稿者の記事一覧

博士(薬学)。Chem-Station副代表。国立大学教員→国研研究員にクラスチェンジ。専門は有機合成化学、触媒化学、医薬化学、ペプチド/タンパク質化学。
関心ある学問領域は三つ。すなわち、世界を創造する化学、世界を拡張させる情報科学、世界を世界たらしめる認知科学。
素晴らしければ何でも良い。どうでも良いことは心底どうでも良い。興味・趣味は様々だが、そのほとんどがメジャー地位を獲得してなさそうなのは仕様。

関連記事

  1. 第52回「薬として働く人工核酸を有機化学的に創製する」和田 猛教…
  2. 第25回「ペプチドを化学ツールとして細胞を操りたい」 二木史朗 …
  3. 第70回―「ペプチドの自己組織化現象を追究する」Aline Mi…
  4. 第五回 超分子デバイスの開発 – J. Fraser…
  5. 第99回―「配位子設計にもとづく研究・超分子化学」Paul Pl…
  6. 第35回「金属錯体の分子間相互作用で切り拓く新しい光化学」長谷川…
  7. 第41回―「クロム錯体のユニークな触媒活性と反応性を解明する」K…
  8. 第62回―「再生医療・ドラッグデリバリーを発展させる高分子化学」…

注目情報

ピックアップ記事

  1. 超分子ランダム共重合を利用して、二つの”かたち”が調和されたような超分子コポリマーを造り、さらに光反応を利用して別々の”かたち”に分ける
  2. 水素社会実現に向けた連続フロー合成法を新開発
  3. Co(II)-ポルフィリン触媒を用いた酸素酸化によるフェノールのカップリング反応
  4. 【ケムステSlackに訊いてみた③】化学で美しいと思うことを教えて!
  5. プレプリントサーバー:ジャーナルごとの対応差にご注意を【更新版】
  6. 科学カレンダー:学会情報に関するお役立ちサイト
  7. Process Mass Intensity, PMI(プロセス質量強度)
  8. デ-マヨ反応 de Mayo Reaction
  9. 機器分析の基礎知識【まとめ】
  10. LG化学がグローバルイノベーションコンテストを開催へ

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2020年2月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
242526272829  

注目情報

最新記事

第23回次世代を担う有機化学シンポジウム

「若手研究者が口頭発表する機会や自由闊達にディスカッションする場を増やし、若手の研究活動をエンカレッ…

ペロブスカイト太陽電池開発におけるマテリアルズ・インフォマティクスの活用

持続可能な社会の実現に向けて、太陽電池は太陽光発電における中心的な要素として注目…

有機合成化学協会誌2025年3月号:チェーンウォーキング・カルコゲン結合・有機電解反応・ロタキサン・配位重合

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2025年3月号がオンラインで公開されています!…

CIPイノベーション共創プログラム「未来の医療を支えるバイオベンチャーの新たな戦略」

日本化学会第105春季年会(2025)で開催されるシンポジウムの一つに、CIPセッション「未来の医療…

OIST Science Challenge 2025 に参加しました

2025年3月15日から22日にかけて沖縄科学技術大学院大学 (OIST) にて開催された Scie…

ペーパークラフトで MOFをつくる

第650回のスポットライトリサーチには、化学コミュニケーション賞2024を受賞された、岡山理科大学 …

月岡温泉で硫黄泉の pH の影響について考えてみた 【化学者が行く温泉巡りの旅】

臭い温泉に入りたい! というわけで、硫黄系温泉を巡る旅の後編です。前回の記事では群馬県草津温泉をご紹…

二酸化マンガンの極小ナノサイズ化で次世代電池や触媒の性能を底上げ!

第649回のスポットライトリサーチは、東北大学大学院環境科学研究科(本間研究室)博士課程後期2年の飯…

日本薬学会第145年会 に参加しよう!

3月27日~29日、福岡国際会議場にて 「日本薬学会第145年会」 が開催されま…

TLC分析がもっと楽に、正確に! ~TLC分析がアナログからデジタルに

薄層クロマトグラフィーは分離手法の一つとして、お金をかけず、安価な方法として現在…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー