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日本人化学者インタビュー

第66回「機能的な構造を探求する」大谷亮 准教授

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第66回目の研究者インタビューです! 今回は第45回ケムステVシンポ「超セラミックス ~分子性ユニットを含む新しい無機材料~」の講演者の一人、九州大学理学部化学科の大谷 亮(おおたに りょう)准教授にお願いしました。

大谷先生らしさを感じられるインタビューで、8月20日に開催されるVシンポでお話をうかがえるのが大変楽しみです!
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それではインタビューをどうぞご覧ください!

Q. あなたが化学者になった理由は?

高校時代は数学が好きで化学は別に普通でしたが、大学で化学科を選んだ理由は、高2の時に参加したオープンキャンパスで大嶌幸一郎先生の有機化学の授業を受けたからです。ダイオキシンの話をされていたのですが「世界の問題を解決できるのは化学しかない!」という締めの言葉が今でも忘れられません。

Q. もし化学者でなかったら、何になりたいですか?またその理由は?

やきとり屋をやりたいです。学生の時にアルバイトしていました。食べるより焼く方が好きです(当時は)。串を持てば中まで火が通っているか分かります(当時は)。一度に10本ひっくり返せます(当時は)。

Q. 現在、どんな研究をしていますか?また、どのように展開していきたいですか?

シアノ金属錯体の合成化学と新物性の開拓を行っています。金属イオンとシアニド(CN)という非常にシンプルな組み合わせですが、未だに多くの可能性が残されていると感じています。特に、「機能的な構造」って何だろうなと思いながら、合成した新物質の熱膨張や圧縮、極性といった構造物性を研究しています。自らが生み出した物質ですが、ことごとく予想を裏切ってくるのが面白いところです。一方で、私の現在の研究テーマにはスピンや電子といったキーワードがあまり出てきません。なので、磁性や電子物性の研究は格好いいなといつも思っています。今は憧れているだけですが、将来的には挑戦したいです。

Q.あなたがもし歴史上の人物と夕食を共にすることができたら誰と?またその理由は?

ご活躍中ですが、マツコ・デラックスさんと話をしてみたいです。「その研究、おもしろーい」って言われたいです。

Q. あなたが最後に研究室で実験を行ったのはいつですか?また、その内容は?

つい先日、単結晶試料に金線をつけて交流インピーダンス測定を行いました。合成実験となると、2020年11月13日まで実験ノートを遡らないと見つかりませんでした。ある有機物の再結晶を行ってましたので、続きは当時の学生さんに引き継いだのだと思います。

Q.もしあなたが砂漠の島に取り残されたら、どんな本や音楽が必要ですか?1つだけ答えてください。

「三体」シリーズ(計5冊)を読んでいる途中です(既に読破したけど、二周目)。ただ、最近、「呪術廻戦」に浮気しててあまり進んでないので、kindleに三体シリーズだけ入れて持っていこうと思います。音楽だったらB’zのアルバムで「Brotherhood」にします。

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Q.次にインタビューをして欲しい人を紹介してください。

福島知宏先生です。彼は学生時の同期ですが、何を考えているのか今でも掴めないので文章化してほしいです。

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ニューヨークでポスドクやってました。今は旧帝大JKJ。専門は超高速レーザー分光で、分子集合体の電子ダイナミクスや、有機固体と無機固体の境界、化学反応の実時間観測に特に興味を持っています。

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