第58回目の研究者インタビューです! 今回は第36回ケムステVシンポ「光化学最前線2023」の講演者の一人、奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)の山田 容子(やまだ ひろこ) 先生にお願いしました。専門は有機合成化学で、光を巧みに利用した新しい合成やナノカーボン材料の電子デバイス応用など様々なπ共役拡張化合物の合成と機能開拓について幅広く研究されています。
山田先生のお人柄を感じられるインタビューで、2月1日に開催されるVシンポでお話をうかがえるのが一層楽しみになりました!
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それではインタビューをどうぞご覧ください!
Q. あなたが化学者になった理由は?
理系科目が好きだったので理学部に進学し、模索しているうちに、有機化学が面白くなりました。でも、卒論も修論もなかなか思うようにいかず、もう少し、もう少し・・・と続けるうちに現在に至りました。
Q. もし化学者でなかったら、何になりたいですか?またその理由は?
果樹や花木の品種改良に携わってみたいです。植物の適応力や生命力には敬服しますし、その成長や季節ごとの変化は見ていて飽きることがありません。前任地の愛媛県では次々と新しい品種の柑橘類が登場し、バラなどの花も様々な色や性質の新品種が生まれますが、それぞれの植物に生来備わる性質を生かしつつ、新しい品種(色、形、味、耐性など)を作る技術を研究してみたいです。
Q. 現在、どんな研究をしていますか?また、どのように展開していきたいですか?
芳香族分子を用いた有機機能性材料の開発を行なっています。特に、光反応や表面支援合成なども利用して手強い化合物の合成に挑戦し、その物性を明らかにしたり、有機分子の自己組織化・集積・結晶化などによる物性の高性能化について深めていきたいです。
Q.あなたがもし歴史上の人物と夕食を共にすることができたら誰と?またその理由は?
伊能忠敬です。50歳を過ぎてから、これまでの人生とは全く異なる新たなことに挑戦し、後世に名を残す偉業を成した心意気をきいてみたいです。
[amazonjs asin=”4309412777″ locale=”JP” title=”伊能忠敬: 日本を測量した男 (河出文庫)”]Q. あなたが最後に研究室で実験を行ったのはいつですか?また、その内容は?
39才までポスドクだったので、有機合成を中心に毎日実験していました。助教授として採用された後も測定などは学生さんと一緒に行いましたが、自分できっちり実験をしたのではポスドクまでです。
Q.もしあなたが砂漠の島に取り残されたら、どんな本や音楽が必要ですか?1つだけ答えてください。
キース・ジャレットのケルンコンサートを満天の星空の下で聴いてみたいです。また自然の音を聞くのが好きなので、砂漠の風や海の音、鳥の声を聴いていると思います。人の居ない砂漠の島では、周りを動く動物や虫の気配も鮮明に聞こえそうです。私が本を持って行くなら、図鑑でしょうか。食べられるもの、危険な虫などを知りたいので。
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川合眞紀先生、加藤昌子先生、深澤愛子先生、秋山みどり先生など、活躍されている各世代の女性研究者のお話を伺いたいです。
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*本インタビューは2023年1月に行われたものです