新年を迎え、企業各社はトップの年頭所感を発表しています。本記事では、各社の2023年の展望と関連する2022年のニュースをまとめました。
安全・健康
安全に事業を行い社員が健康でいられることは、どの会社でも常に求められることで、いくつかの年頭所感では、安全・コンプライアンスを守ることや健康管理への意識を高めることなどが触れられています。例えば、三菱ケミカルグループ社長 ジョンマーク・ギルソン氏の年頭挨拶では、コンプライアンスを遵守するために、声を上げること、問題を隠さないこと、問題が大きくなる前に対処することを心に留めておくことを求めています。残念ながら2022年末には化学工場での火災事故が発生しており、2023年は事故がないことを願います。
東京・墨田区の化学工場で火災、1人搬送 爆発おそれ、避難呼びかけ
オリジナル版は→https://t.co/YtDDVzrO75 pic.twitter.com/NWz5krviBk— 毎日新聞映像グループ (@eizo_desk) December 27, 2022
世界情勢
2022年も世界情勢は安定せず、経済成長に大きな影響を与えました。この影響を受けて2022年は、厳しい年だったというコメントと困難な状況でも営業利益を確保できたと発表しています。そしてこの不確実性が高い状況は2023年も同じであることを強調し、より一層、安定供給や価格適正化といった足元の課題に取り組んでいく必要があることを多くの年頭所感が示しています。住友化学社長 岩田 圭一 氏の年頭あいさつ要旨では、ウクライナ紛争の長期化、ゼロコロナ政策後の中国経済の不透明さなどを背景として景気後退のリスクが高まっており変化が速く、かつ不確実性の高い事業環境が本年も続くとが予想されています。研究レベルで使用する化学品や原料も依然として価格は高騰しており、現場でもいろいろな対応が求められると想定されます。
【連載】東大のヘリウム事情① 東大低温科学研究センター 鹿野田センター長に聞くヘリウムの未来
科学技術や医療に必要な「ヘリウム」の供給不足問題を調査する本企画。第1回は東大低温科学研究センター長・鹿野田教授に現状や東大が行っている対策について話を聞きました。https://t.co/wcbq0ZXAp5
— 東京大学新聞|東大新聞オンライン (@UTNP) October 30, 2022
デジタル・DX
デジタルやDXに関する話題はだいぶ落ち着きましたが、その活用は依然として需要なテーマとなっているようです。実際、重要項目の一つとしてデジタルやDXが年頭所感の中で触れられています。三井化学株式会社 代表取締役社長執行役員 橋本 修氏は、今一度業務の標準化及び効率化を図り、DXの有効活用を進め、より付加価値の高い業務を創り上げていくよう訴えています。大企業にはいろいろな障壁があり、チャットツールすら導入には多くの困難があったと話を聞きます。一方でうまく使えば、研究部門に限らずどの部署でも業務の効率化できるチャンスがあるので今後、より一層の活用を期待します。
西村大臣は兵庫県にて #日本触媒、#ダイセル を訪問しました。#GX の実現に向けて重要となる #アンモニア から #水素 を取り出す技術の開発や、サプライチェーン全体での #DX、#オープンイノベーション に取り組む現場を視察し、意見交換しました。#meti_daijin pic.twitter.com/D2AYgsa515
— 経済産業省 (@meti_NIPPON) December 18, 2022
サステナビリティ
いくつかの年頭所感では、サステナビリティの実績を強調しています。例えば、積水化学工業株式会社 代表取締役社長 加藤 敬太氏は、サステナビリティ貢献製品の売上高比率は65%を超えるまでに伸長し、温室効果ガス排出量も2013年度比で20%超の削減を達成したと発表しています。このサステナビリティの世間からの関心は高く、サステナビリティの高い製品の開発、サステナビリティを踏まえた化学品生産などは、化学企業として避けられない課題のようです。
住友化学、3年連続ゴールド サステナビリティ調査で評価 – https://t.co/bvAo7Rs9nr pic.twitter.com/BLBdK9esfz
— ゴムタイムス (@gomutimesweb) May 6, 2022
その他
年頭所感には、社員に対しての言葉が多く含まれており、特に挑戦・チャレンジすることが必要であると説いています。各社、2020年代も中盤に入ったからなのか、特に2030年の目標達成を意識した挑戦を呼び掛けています。DIC株式会社 代表取締役社長執行役員 猪野薫氏の年頭挨拶では、新たな挑戦の際には、失敗もあるでしょう。失敗から何を学ぶかが大事です。個の多様性の結集が、DICグループの未来を創る原動力になります。あなたの挑戦がDICの挑戦となると呼び掛けています。また他の内容として、各社の事業についての言及しており、今年はどの分野に注力していきたいかが分かる内容になっています。
ついに中国でのゼロコロナ政策を終了するものの経済後退の可能性が言われ、ウクライナの戦争についても続いていることから経済への影響は少なからず続くことが予想されています。この状況下で各社がどのような戦略で成長を目指すのか、2023年の動きから目が離せません。
関連書籍
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- 岩田 圭一 社長 年頭あいさつ要旨: 住友化学
- 2023年社長年頭挨拶(要旨):三井化学
- 2023年 年頭社長挨拶(要旨):DIC
- 新年のご挨拶:Denka
- 2023年 年頭所感「より明確になった目指すべき社会~中期経営計画を加速する1年にしよう~」:旭化成
- 培ってきた力をもとに、新たな飛躍に挑戦する年に:積水化学
- 社長年頭挨拶(1月4日、東ソー本社での年頭訓話から抜粋):東ソー
- 年頭のごあいさつ:JSR
- 三菱ケミカルグループ社長 ジョンマーク・ギルソン 年頭挨拶:三菱ケミカル