[スポンサーリンク]

ケムステニュース

国際化学オリンピック2022日本代表決定/化学グランプリ2022応募始まる

[スポンサーリンク]

「夢・化学-21」委員会と日本化学会では、このほど「第 54 回国際化学オリンピック中国大会」の日本代表生徒 4 名を決定しましたのでお知らせいたします。開催期間は 7月10日~18日までの 9日間で、リモート試験や国際交流などを行います。 (引用:日本化学会プレスリリース4月14日)

「夢・化学-21」委員会と日本化学会では今年も、日本全国の中高生が化学の実力を競う“化学の甲子園”、 『化学グランプリ 2022』を開催する。4月1日~6月8日まで参加者の募集を行い、 7月18日(月・祝)にオンライン一次選考を、8月23日~25 日には、一次選考を通過した 約80名による二次選考を秋田大学で実施する。(参考:化学グランプリ2022募集要項)

今年の化学オリンピックと化学グランプリに関する発表がありましたのでケムスケニュースにて取り上げさせていただきます。

まず、国際化学オリンピックに関して代表メンバーが下記の四名に決定しました。

  •  筑波大学附属駒場高等学校 2年 石川 貴士さん
  • 伊勢崎市立四ツ葉学園中等教育学校 6年 柏井 史哉さん
  • 浅野高等学校 3年 直井 勝己さん
  • 立命館慶祥高等学校 3年 中地 明さん

四名は、化学オリンピック2021の2次選考を通過後、さらに2度の選抜試験を勝ち抜いた化学のエキスパートです。今年の化学オリンピックは 7 月 10 日~18 日に開催されます。ホスト国は中国で、天津市の南開大学にて行われる予定でしたが、昨年同様リモートで実施されるようです。

大会ロゴ(出典:54th IChO 2022

他国の参加者と現地で交流できないのは大変残念ですが、選ばれた4名の方とサポートされる先生方は、ぜひ楽しんで参加いただきたいと思います。

続いて化学オリンピック2023につながる化学グランプリ2022についてですが、応募が4月1日より始まっております。一次選考は、昨年同様オンラインで回答する形式であり、無機化学、有機化学、物理化学の分野を中心にした大問4題が出題され150分で回答します。問題には高校の教科書では扱わない内容もありますが、大学で勉強する知識を求められているのではなく、化学的な思考を試されている試験です。例えば2021年の問題ではNMRに関する設問がありますが、問いの前にヒントのように解説が書かれており、その内容を考慮して問いを答えるようになっています。過去問は、公式HPにて公開されています。

二次選考は、2泊3日の合宿形式を予定されており、秋田大学にて実験を行いレポートの仕上がりによって評価されます。成績に応じて表彰があり、また中学3年生、高校1、2年生の生徒と日本化学会の支部から推薦された20名程度が、2023年にスイスのチューリッヒで開催される「第55回国際化学オリンピック」代表候補に推薦されます。

大賞 5名

金賞 15名程度

銀賞 20名程度

銅賞 40名程度

日本化学会長賞、秋田大学長賞、TDK賞

参加応募締め切りは6月8日までです。受験料はかからず、一次選考はオンラインで参加できるため化学の力試しに中高生は参加してみてはいかがでしょうか。また大会の開催に関して複数の秋田の企業が協賛されており、2次選考が無事に秋田大学にて実施されることを願います。

関連書籍

[amazonjs asin=”4254146841″ locale=”JP” title=”国際化学オリンピックに挑戦! 4 ―有機化学―”] [amazonjs asin=”425414685X” locale=”JP” title=”国際化学オリンピックに挑戦! 5 ―実験―”]

化学オリンピックに関するケムステ過去記事

Avatar photo

Zeolinite

投稿者の記事一覧

ただの会社員です。某企業で化学製品の商品開発に携わっています。社内でのデータサイエンスの普及とDX促進が個人的な野望です。

関連記事

  1. 2008年ウルフ賞受賞者発表
  2. 一家に1枚周期表を 理科離れ防止狙い文科省
  3. 国内 ブロックバスター後発品続々と販売開始
  4. 発展が続く触媒研究~京大より触媒研究の成果が相次いで発表される~…
  5. アムロジンのデータ資料返還でファイザーが住友化学に仮処分命令申立…
  6. 人の鼻の細菌が抗菌作用がある化合物をつくっていたーMRSAに効果…
  7. L・スターンバック氏死去 精神安定剤開発者
  8. ADEKAの新CMに生田絵梨花さんが登場

注目情報

ピックアップ記事

  1. アマゾン・アレクサは化学者になれるか
  2. 生物学的等価体 Bioisostere
  3. 小児薬、大人用を転用――アステラス、抗真菌剤
  4. ブラックマネーに御用心
  5. 自己修復する単一分子素子「DNAジッパー」
  6. 和製マスコミの科学報道へ不平不満が絶えないのはなぜか
  7. カーボンナノベルトを結晶溶媒で一直線に整列! – 超分子2層カーボンナノチューブの新しいボトムアップ合成へ –
  8. (−)-Salinosporamide Aの全合成
  9. 2010年日本化学会年会を楽しむ10の方法
  10. クラリベイト・アナリティクスが「引用栄誉賞2017」を発表

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2022年4月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

注目情報

最新記事

CO2 の排出はどのように削減できるか?【その1: CO2 の排出源について】

大気中の二酸化炭素を減らす取り組みとして、二酸化炭素回収·貯留 (CCS; Carbon dioxi…

モータータンパク質に匹敵する性能の人工分子モーターをつくる

第640回のスポットライトリサーチは、分子科学研究所・総合研究大学院大学(飯野グループ)原島崇徳さん…

マーフィー試薬 Marfey reagent

概要Marfey試薬(1-フルオロ-2,4-ジニトロフェニル-5-L-アラニンアミド、略称:FD…

UC Berkeley と Baker Hughes が提携して脱炭素材料研究所を設立

ポイント 今回新たに設立される研究所 Baker Hughes Institute for…

メトキシ基で転位をコントロール!Niduterpenoid Bの全合成

ナザロフ環化に続く二度の環拡大というカスケード反応により、多環式複雑天然物niduterpenoid…

金属酸化物ナノ粒子触媒の「水の酸化反応に対する駆動力」の実験的観測

第639回のスポットライトリサーチは、東京科学大学理学院化学系(前田研究室)の岡崎 めぐみ 助教にお…

【無料ウェビナー】粒子分散の最前線~評価法から処理技術まで徹底解説~(三洋貿易株式会社)

1.ウェビナー概要2025年2月26日から28日までの3日間にわたり開催される三…

第18回日本化学連合シンポジウム「社会実装を実現する化学人材創出における新たな視点」

日本化学連合ではシンポジウムを毎年2回開催しています。そのうち2025年3月4日開催のシンポジウムで…

理研の一般公開に参加してみた

bergです。去る2024年11月16日(土)、横浜市鶴見区にある、理化学研究所横浜キャンパスの一般…

ツルツルアミノ酸にオレフィンを!脂肪族アミノ酸の脱水素化反応

脂肪族アミノ酸側鎖の脱水素化反応が報告された。本反応で得られるデヒドロアミノ酸は多様な非標準アミノ酸…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー