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11年ぶり日本開催、国際化学五輪プレイベントを3月に

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7月に日本で開催される国際化学オリンピックを盛り上げようと、プレイベント「化学との出会い 未来を拓(ひら)く君たちへ」が3月13日午後1時からオンラインで開かれる。国際化学五輪の国内開催は、2010年以来11年ぶり。  (引用:朝日新聞2月28日)

国際化学オリンピックは、学術および化学・素材産業の次世代を担うグローバル人材の育成に寄与するとともに、「化学で未来を明るくする」ことを目的とする大会で、毎年各国の高校生の代表が集まり実技試験と筆記試験で化学の知識を競います。日本は2003年から参加し、2010年には東京大学と早稲田大学において自国開催が行われました。そして2021年の2度目の日本開催が決定し、産学でこの大会を盛り上げていましたが、COVID-19の感染拡大の現状から参加者の安全を第一に優先するため、昨年同様にリモートで開催されることが決定しました。

日本大会向けにデザインされたO、Mo、Te、Na、Siロゴのグッズ(引用:国際化学オリンピック日本大会Twitter

そんな中、化学オリンピックのプレイベントとして、オンラインの講演会3月13日に開催されます。講演会では、国際化学オリンピック日本委員会理事長、組織委員会委員長である玉尾皓平先生より我が国の化学技術についての基調講演で始まり、京都大学 高等研究院 物質−細胞統合システム拠点の深澤愛子教授と大阪大学 大学院工学研究科の松﨑典弥教授より研究講演が予定されています。そして、国際化学オリンピック元日本代表の正田浩一朗さん、森田峻平さん、浦谷浩輝さんによる体験談があります。正田 浩一朗さんは、白陵高等学校の2年次と3年次に国際化学オリンピック参加し、銀メダルを獲得する活躍をされています。現在は、東京大学大学院工学研究科の野崎研究室に所属されていて、金属触媒に関する論文を発表されています。森田峻平さんは、筑波大学附属駒場高等学校の3年次に国際化学オリンピック参加し、銀メダルを獲得する活躍をされています。現在はUCバークレーのGroves研究室に所属されていて、生物に関連した物理化学について研究されているようです。浦谷浩輝さんは、滋賀県立膳所高等学校の2年次と3年次に国際化学オリンピック参加し、銀メダルを獲得する活躍をされています。現在は、早稲田大学化学・生命化学科の中井研究室に所属されていて、計算化学に関する論文を発表されています。

イベントはZOOMにより実施され、誰でも事前登録で参加が可能です。先生方の貴重な講演と高校時代に非常に高い化学の才能を発揮されていた元代表の体験談を聞くことができるのは、化学オリンピックへの挑戦を考えている高校生だけでなく、化学に興味を持つ人にとって有意義なイベントではないでしょうか。

スポーツのオリンピックと同じ年に日本で開催されることになりましたが、国際化学オリンピックの方は日本に選手を世界中から招くことはできなくなってしまいました。しかしながら、オンライン開催でも日本らしさを演出した大会になってほしいと思います。国際化学オリンピックは、2022年に中国、2023年にスイス、2024年にサウジアラビア、2025年にUAEでの開催が決まっています。来年以降は、選手が会場に集まる形で開催されるような情勢になっていることを祈ります。

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ただの会社員です。某企業で化学製品の商品開発に携わっています。社内でのデータサイエンスの普及とDX促進が個人的な野望です。

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