印刷インキや有機顔料世界トップシェアのDIC株式会社は、2020年1月より、数々のヒット作に出演し、いま最も勢いのある演技派女優、吉岡里帆さんを起用した企業ブランドCM第4弾「DIC岡里帆シリーズ」の放送を1月より開始した。 (引用:PRTIMES1月7日)
印刷インキや顔料、合成樹脂を主力商品とするDIC株式会社では、新しい企業ブランドCMを作成し1月からCMとして放送を開始しました。内容は女優の吉岡里帆さんが、化学好きな「DIC岡里帆」となり、DICのコアテクノロジーである、イージーピールフィルム、スピルリナ、カラーフィルタをわかりやすく紹介するというものです。テレビを視聴するすべての人にわかりやすく伝えることは大変難しいことであり、難しい専門用語を除けば言葉としては分かりやすくなりますが、伝えたいことが抽象的になりぼやけてしまいます。また、CMとしての時間はとても短く、ストーリーを簡潔にまとめる必要があります。このDICの新しいCMは、Youtubeでも公開されていて、三つのストーリーのロングバージョンを視聴しましたが、専門用語なしで解説しつつ、特徴的な表現を使ってDICのテクノロジーをわかりやすく示していると感じました。個人的におすすめなのはカラーフィルタの動画で、顔料の化学構造とコードネームをありのままに紹介されていることが良い点だと思いました。
このCMは、テレビ朝日系列24局の「サンデーLIVE!!」で提供され、交通広告としても展開されるそうです。特設サイトDIC岡里帆の研究室では、開発に携わった社員の方との対話形式の記事も公開されていて、少し専門用語も使いながらより詳しく解説されています。さらに1月24日(金)11:00から2月24日(月)17:00まで限定で、DIC岡里帆研究室オリジナルIDカードが当たるTwitterキャンペーンも行う予定です。
吉岡里帆さんは、一年前からに発表されたDICの企業ブランドCMにも登場していました。現在は非公開になってしまいましたがこちらのCMはさわやかなイメージで、DICの化学の技術で身の回りにある彩りを豊かにしていることがよく伝わってくるCMでした。
化学企業は例外を除いて商品を一般消費者に売らないため、CMの放映が売り上げに直結するとは考えにくいです。にもかかわらず近年多くの企業がCMを放映しているのは、企業イメージ向上を重要視しているからだと考えられます。事故や不祥事などによって企業イメージは簡単に下がりますが、イメージを向上させるのは手段が限られていて難しいと思います。特に化学企業の製品は、日常の様々なものに使われている一方、一つの商品の特徴を際立たせることが難しいように思えます。そんな中、カネカやクラレ、AGC、ダイセル、帝人などから面白いCMが放映されてきました。一般的に知られていなくても、優れた技術を持ち、特定の分野において高い世界シェアを持っている日本企業はたくさんあります。そして化学企業であっても様々な専門の人の力が必要です。そのためこのようなCMで化学が多く人にとってより身近になってほしいと思います。
家族でテレビを視聴しているときにこのようなCMが流れれば、自分の会社のCMではなくても、家族に自社のことを紹介するいいきっかけになるのではないでしょうか。