[スポンサーリンク]

一般的な話題

公募開始!2020 CAS Future Leaders プログラム(2020年1月26日締切)

[スポンサーリンク]

ケムステをいつもご覧になっている方であれば、もうお馴染みですが、今年もCASが主催する2020 CAS Future Leaders プログラムの参加募集が開始されました。

このプログラムではオハイオ州にあるCAS等の見学に加え、ACS Fall meeting 2020(@San Diego)に無料で招待(航空券、宿泊費、参加費等はすべてCAS持ち)されるだけでなく、支度金として1000$が支給され、ACS membership(3年)、SciFinder-nへのアクセス権(1年)まで貰えちゃいます。さらにC&ENにプロフィールが掲載され、CAS Future Leaders Alumni Communityに登録されます。

応募に必要なのは、①博士課程の学生かポスドクであること、②応募フォーム、③500-1000語のエッセイ、④履歴書、⑤指導教官等の推薦状だけです。今年はプログラム参加が決まってからでもACS Fall meeting 2020での発表申込みが出来るよう応募スケジュールが前倒しとなり、募集期間が2019年12月2日から2020年1月26日になっています。

昨年は九大の佐々木 光一さんが参加され、プログラム様子はこちらのインタビューからご覧いただけます。ケムステでは佐々木さんに選ばれるカギとなる「エッセイを書く際に気をつけた点」と、実際に参加して「どのような準備が必要であったか」についてお伺いしました。佐々木さんのコメントにもあるように、日本の応募者は極めて少なく、CAS側は日本から多くの応募を期待しているようなので、佐々木さんや過去参加者のエッセイの書き方を参考にして、ぜひ応募してください!!!

どうやってエッセイを書けばいいのか?

Q.エッセイ(英語)を書く際に心がけた点は何でしょうか?

(佐々木さん) エッセイの基本的構成を守ることと、タイトルと内容に関しては良い意味で目立つものにすることを心がけました。構成の重要性に関しては、過去に参加された先輩方も記事で強調されていて、ノウハウも述べられていたので参考にさせていただき、大変助けられました。私の場合でもう少し具体的に述べさせて頂きますと、一つの段落ごとに一つの主張が明確に伝わるよう心がけ、それらの主張が一つのストーリーとして繋がるように気を配りました。 内容に関しましては、私の場合、研究ツールの未来像を議論した部分が目立つ上で少し役に立ったのかな、と思っています。今年の他の受賞者の中には、化合物の構造式を入れてみたり、QRコードを入れてみたりといった工夫を凝らした方々もいたようで、結構何でもありなのかもしれません。

Q .どのようなエッセイを書かれたのか教えて頂けないでしょうか?

(佐々木さん) 今年の題材は、“自身の研究内容と目標”、“SciFinder をはじめとする情報をどのように研究に役立てているか”、の2点でした。私の書いたエッセイは、SciFinderなどのツールにより私が研究遂行上どのように助けられ、成長してきたかについて具体例を述べ、それらエピソードを根拠に研究補助ツールの未来像について意見を述べるものでした。構成としては、要約→具体的研究内容も交えたエピソード (全5段落)→想像する未来像 (1段落)→結論でした。

良いエッセイを書いてぜひこのプログラムに参加しましょう!!!

どんな準備が必要?

Q.もう一度参加するなら準備したいこと・ものはありますか?

(佐々木さん) やはり、英語で高度な議論についていくには苦労しました。人柄の優れた参加者とCASスタッフに恵まれたおかげで、所々助けてもらいながら何とか乗り切れました。一方で、持参物や現地での服装に関しては、事前に詳細な情報をプログラム担当のPeter が提供してくれたので全く不自由しませんでした。

Q.実際に参加してみて、参加前の想像と違っていたことはありますか?

(佐々木さん) 想像以上に他の参加者と仲良くなれたことに驚いています。念の為述べておきますと、私は決して積極的な方ではないのですが、人格の優れた参加者に恵まれたこと、一緒に行動する時間が多く盛り込んであることに助けられました。また、メンバーの多様性が非常に高かったので、話題に事欠かなかったのも幸いしたと思います。

プログラム外で観光したり・飲みに行くのが仲良くなるコツです!

 

この記事を読んで「参加しようかな」と思っているケムステ読者にメッセージをお願いします。

(佐々木さん) 素晴らしい友人を世界中に作ることのできる貴重な機会なので、ぜひ挑戦してみて下さい!海外の企業や研究機関で働いてみたい、という人には特にオススメです。参加者づてに貴重な情報やチャンスが得られると思います。加えて、研究に没頭しているだけでは中々磨き難いスキルを伸ばす機会にもなると思います。あともう一つ、プロの方にフォーマルな写真を撮って貰う機会があったのはラッキーでした (今年からでしょうか?)。色々な場面で活用できると思います。

研究者人口からすると、日本の応募者数は極めて少ないようです (Peterにも、もっと宣伝してくれ!と言われてしまいました)。プログラムの性質上、研究分野、国といったあらゆる多様性を考慮した人選がなされるようなので、きっと多くの人にチャンスがあると思います! 応募すること自体も、参加することも、自分自身に変化をもたらす非常に良いきっかけになるはずです。

Now it’s your turn to join!

 

最後に

(佐々木さん) CASの皆様、一緒に素晴らしい時間を過ごした2019年度参加者の皆様、常日頃ご指導いただき、今回快く推薦状を書いてくださった片山佳樹教授に心より感謝申し上げます。また、研究生活を送るにあたり支えて頂いている全ての皆様にも、この場をお借りして感謝申し上げます。

申し込みは1月26日まで

いかがでしょうか?参加すると世界各国から集まった優秀な若手研究者たちと、貴重な体験が出来ることは間違いありません!今年から締切が2020年1月26日までと申込期間が早まっています。(プログラムに参加が決定した後でも、ACS Fall meeting 2020での発表申込みが間合います。)まだ2か月近くあるので、今すぐエッセイを書いて応募しましょう!! 申込はこちら!

最後に大変お忙しい中コメント頂きました、佐々木 光一さんにこの場を借りて御礼申し上げます。

関連リンク

Ohno

投稿者の記事一覧

博士(理学)。ナノ材料に関心があります。

関連記事

  1. 自己会合・解離機構に基づく蛍光応答性プローブを用いたエクソソーム…
  2. 速報・常温常圧反応によるアンモニア合成の実現について
  3. 「引っ張って」光学分割
  4. 最後に残ったストリゴラクトン
  5. 【動画】元素のうた―日本語バージョン
  6. 有機電解合成のはなし ~アンモニア常温常圧合成のキー技術~
  7. 論文をグレードアップさせるーMayer Scientific E…
  8. 高懸濁試料のろ過に最適なGFXシリンジフィルターを試してみた

注目情報

ピックアップ記事

  1. 自宅で抽出実験も?自宅で使える理化学ガラス「リカシツ」
  2. ピリジン-ホウ素ラジカルの合成的応用
  3. とある水銀化合物のはなし チメロサールとは
  4. 世界の技術進歩を支える四国化成の「独創力」
  5. 化学分野での特許無効審判における 実験データの戦略的な活用方法【終了】
  6. 文具に凝るといふことを化学者もしてみむとてするなり⑫: XP-PEN Deco01の巻
  7. 光触媒を用いるスピロ環合成法が創薬の未来を明るく照らす
  8. 第126回―「分子アセンブリによって複雑化合物へとアプローチする」Zachary Aron博士
  9. SNS予想で盛り上がれ!2020年ノーベル化学賞は誰の手に?
  10. Bayer Material Scienceの分離独立が語るもの

関連商品

ケムステYoutube

ケムステSlack

月別アーカイブ

2019年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

注目情報

最新記事

有機合成化学協会誌2024年12月号:パラジウム-ヒドロキシ基含有ホスフィン触媒・元素多様化・縮環型天然物・求電子的シアノ化・オリゴペプチド合成

有機合成化学協会が発行する有機合成化学協会誌、2024年12月号がオンライン公開されています。…

「MI×データ科学」コース ~データ科学・AI・量子技術を利用した材料研究の新潮流~

 開講期間 2025年1月8日(水)、9日(木)、15日(水)、16日(木) 計4日間申込みはこ…

余裕でドラフトに収まるビュッヒ史上最小 ロータリーエバポレーターR-80シリーズ

高性能のロータリーエバポレーターで、効率良く研究を進めたい。けれど設置スペースに限りがあり購入を諦め…

有機ホウ素化合物の「安定性」と「反応性」を両立した新しい鈴木–宮浦クロスカップリング反応の開発

第 635 回のスポットライトリサーチは、広島大学大学院・先進理工系科学研究科 博士…

植物繊維を叩いてアンモニアをつくろう ~メカノケミカル窒素固定新合成法~

Tshozoです。今回また興味深い、農業や資源問題の解決の突破口になり得る窒素固定方法がNatu…

自己実現を模索した50代のキャリア選択。「やりたいこと」が年収を上回った瞬間

50歳前後は、会社員にとってキャリアの大きな節目となります。定年までの道筋を見据えて、現職に留まるべ…

イグノーベル賞2024振り返り

ノーベル賞も発表されており、イグノーベル賞の紹介は今更かもしれませんが紹介記事を作成しました。 …

亜鉛–ヒドリド種を持つ金属–有機構造体による高温での二酸化炭素回収

亜鉛–ヒドリド部位を持つ金属–有機構造体 (metal–organic frameworks; MO…

求人は増えているのになぜ?「転職先が決まらない人」に共通する行動パターンとは?

転職市場が活発に動いている中でも、なかなか転職先が決まらない人がいるのはなぜでしょう…

三脚型トリプチセン超分子足場を用いて一重項分裂を促進する配置へとペンタセンクロモフォアを集合化させることに成功

第634回のスポットライトリサーチは、 東京科学大学 物質理工学院(福島研究室)博士課程後期3年の福…

実験器具・用品を試してみたシリーズ

スポットライトリサーチムービー

PAGE TOP